目次
1. 地方で公共工事や工務店の下請けだけでは厳しい
地方で下請け中心の経営に限界を感じていた
親の代から続く田中塗装は、公共工事や工務店の下請けを中心に事業を展開し、売上は約1.2億円を維持していました。しかし、諫早市という限られた商圏の中で、下請けだけではこれ以上の成長は見込めず、将来に対する不安を感じていました。自分が会社に戻り、経営に関わるようになってからも、「このままで本当に会社は伸びるのか」「次の世代に誇れる会社にできるのか」という迷いが常にありました。
仕事は安定しているものの、価格競争や元請け依存の構造から抜け出せず、利益率や経営の自由度にも限界がありました。地域に根ざした会社として、もっと主体的に仕事を選び、社員にも将来の夢を描いてもらえる会社にしたい。そのためには、下請け中心の体制から脱却し、元請けとして直接お客様と向き合う事業へ転換する必要があると強く感じるようになりました。
2. 住宅元請け事業への挑戦と最初の苦戦
転機となったのは、大手コンサルティング会社が開催する住宅塗装参入セミナーでした。そこで担当してくれたのが中屋さんです。新しい事業への挑戦には大きな期待があった一方で、父親からは「そんな簡単にうまくいくわけがない」と強く反対されました。それでも、自分の責任で挑戦する覚悟を決め、まずはチラシ配布からスタートしました。
しかし現実は厳しく、15,000枚配って反響はわずか1件。心が折れそうになりながらも、チラシの内容を見直し、改善を重ね、WEBサイトも立ち上げました。
少しずつ反響が出始めたタイミングで、次に挑戦したのがショールームの出店です。これも再び反対されましたが、「結果で証明する」と腹をくくりオープンしました。すると初月で約40件の反響を獲得。
住宅元請け事業は一気に軌道に乗り、売上は2億円規模まで成長。公共工事と合わせて、会社全体で3億円を超えるまでになりました。
3. 好調から一転、売上が急降下した理由。
順調に成長していたものの、その後は別の担当者による支援体制へと移行しました。一定の成果も出ていたため、「このまま任せていれば大丈夫だろう」と考えていました。しかし、気づけば売上は徐々に下がり始めていました。
原因は、ブランディングの一貫性が失われていたことでした。チラシのデザインやメッセージがバラバラになり、会社としての強みや価値がうまく伝わらなくなっていたのです。その結果、問い合わせはあっても契約率が下がり、競合も増えたことで価格競争に巻き込まれていきました。
「このままではまずい」と強い危機感を抱き、改めて中屋さんに相談することを決意しました。ちょうどそのタイミングで中屋さんが立ち上げたのが、ゲームチェンジ株式会社でした。もう一度、原点に立ち返り、事業を立て直す必要があると感じました。
4. 事業の流れを変えたリブランディング。
ゲームチェンジさんと最初に取り組んだのは、全面的なリブランディングでした。事業コンセプトを整理し、田中塗装として「何を強みとする会社なのか」を明確にした上で、WEBサイトやチラシのデザインを統一。さらに、ショールームも改装し、オープンイベントを実施しました。
その結果、オープン時を上回る約50件の反響を獲得することができ、再び集客の流れが戻ってきました。
ただ、集客ができても営業がうまくいかなければ意味がありません。そこで導入したのが、YouTubeを活用した情報発信と、来店前から信頼関係を築く「0次接客」という仕組みでした。
これにより、お客様の理解度が高まり、商談がスムーズに進むようになり、契約率は約60%まで回復しました。単なる集客対策ではなく、経営全体を設計し直したことで、田中塗装は再び成長軌道に乗ることができました。
5. 現在では、4~5億円ペースまで成長することができた
今では、住宅元請け・法人・公共事業の3本柱が安定し、売上4〜5億円ペースまで成長しています。
特に大きかったのは、「人材を増やして成長する」戦略。
元請け事業で人材を育て、法人・公共事業にも人を配置することで、事業全体の底上げができました。
5.1. 成功のポイントを解説
田中塗装が再浮上できた最大の理由は、戦略を「仕組み」に落とし込んだことでした。単に集客数を増やすのではなく、「なぜ選ばれるのか」「どうすれば安定して受注できるのか」を明確にし、それを一貫した形で発信できる体制を整えました。
具体的には、地域に特化したブランディングを軸に、チラシ・WEBサイト・ショールームのメッセージやデザインを統一。どの接点でも同じ価値が伝わるようにしました。さらに、YouTubeを活用した情報発信によって、施工の考え方や会社の姿勢を事前に伝えることで、お客様との信頼関係を構築。来店前から理解度を高める「0次接客」の仕組みを導入することで、営業の効率化と契約率の向上を実現しました。
また、集客や営業だけでなく、人材戦略や組織設計まで含めて経営全体を見直したことも大きなポイントです。現場任せではなく、仕組みで成果が出る体制をつくったことで、田中塗装は安定した成長軌道に戻ることができました。
5.2. 今後の目標とゲームチェンジとの関わり方
今後は、諫早市を中心とした地域密着の強みをさらに磨きながら、安定して年商5億円規模まで成長できる会社づくりを目指しています。ただ売上を伸ばすだけでなく、「人が育ち、長く働ける会社」にしていくことが、これからの最大のテーマです。
住宅元請け・法人・公共事業の3本柱をバランスよく強化し、それぞれの事業で人材を育成できる体制を整えていきたいと考えています。特に若手人材の採用と育成には力を入れ、現場だけでなく、営業・管理・マネジメントまで任せられる人材を増やしていくことで、組織としての基盤をより強固にしていきます。
その中で、ゲームチェンジさんには、単なる集客支援ではなく、事業戦略・組織づくり・人材育成まで含めた経営パートナーとして、これからも伴走してもらいたいと考えています。短期的な成果だけでなく、中長期で“地域で勝ち続ける会社”を一緒につくっていく存在として、これからの成長フェーズも共に歩んでいきたいと思っています。

