【建設業向け】人材紹介会社に任せっぱなしは危険?数百万の紹介料を無駄にしない方法
住宅塗装会社・リフォーム会社・建設会社の経営者、採用責任者向け
「紹介されるのを待つ採用」から卒業。数百万円の採用コストを成果につなげるエージェント活用法
- 紹介手数料:一般的な人材紹介では理論年収の30〜35%程度、建設・施工管理の専門エージェントでは40〜50%程度になる場合がある
- 丸投げの問題:求人票を渡して紹介を待つだけでは、エージェント側の「決まりやすい案件」が優先されやすい
- 失敗例:3社へ同じ求人を同時に依頼し、年間数百万円を支払ったものの、入社者の半数近くが1年以内に離職した事例がある
- 見えない損失:採用の遅れは、受注を断る機会損失やベテラン社員への負担集中にもつながる
- 改善の軸:求める人物像・複数エージェント・他の採用チャネル・定着人数を自社で管理する
【本記事で分かること】
- 建設業で人材紹介会社を使っても採用がうまくいかない理由
- 人材紹介の手数料相場と、経営者が見るべき採用コスト
- エージェントコントロールの意味と、自社が主導権を持つ必要性
- 複数の人材紹介会社へ同じ求人を丸投げするリスク
- 早期離職だけでなく、採用の遅れによる機会損失まで見る考え方
- エージェントへの依存度を下げ、採用全体を自社主導で設計する方法
人材紹介会社を使っているのに採用が決まらないなら、見直すべきは「紹介会社」だけではなく、自社が採用の主導権を持てているかです。
「人材紹介会社に依頼しているのに、欲しい人材がなかなか来ない」
「採用が決まるたびに紹介手数料がかさみ、年間の採用費が重くなっている」
「何社にも依頼しているのに、似たような候補者ばかり紹介される」
「採用できても、1年以内に辞めてしまう人が少なくない」
こうした悩みは、住宅塗装会社・リフォーム会社・建設会社の採用でも起こり得ます。
動画では、人材紹介会社との付き合い方を「エージェントコントロール」という言葉で整理しています。ポイントは、エージェントを強く管理したり、紹介料を値下げ交渉したりすることではありません。
求める人物像を自社で決め、紹介会社ごとの動きと成果を把握し、他の採用チャネルと比較しながら、採用全体を経営としてコントロールすることが本質です。
本記事では、動画の内容をもとに、人材紹介会社に「使われる会社」と「使いこなす会社」の違いを、紹介手数料・定着・機会損失まで含めて具体的に解説します。
▼詳しく解説している動画はこちらから▼
建設業が人材紹介会社を使いこなす結論
人材紹介会社は「求人票を渡して待つ」のではなく、自社が採用要件・依頼先・成果・定着まで管理して活用することが重要です。
エージェントコントロールは交渉術ではありません。求める人物像を言語化し、複数エージェントの動きを管理し、他の採用チャネルと比較しながら、年間の紹介手数料と実際に定着した人数を経営指標として確認する取り組みです。
1. 人材紹介会社に任せきりだと採用コストが重くなる理由
建設業や専門工事業では、人材紹介会社を利用する企業が増えています。一方で、紹介会社を使っているのに欲しい人材が来ない、紹介手数料だけが膨らむ、という問題も起こります。
1.1. 人材紹介の手数料は理論年収の30〜35%程度が一つの目安
動画内では、一般的な人材紹介の手数料相場として、理論年収の30〜35%程度が紹介されています。また、施工管理など建設業に特化した専門エージェントでは、40〜50%程度になる場合もあると説明されています。
| ケース | 動画内の目安 | 採用企業側の負担イメージ |
|---|---|---|
| 一般的な人材紹介 | 理論年収の30〜35%程度 | 採用人数が増えるほど年間コストが積み上がる |
| 施工管理・建設業の専門エージェント | 理論年収の40〜50%程度になる場合もある | 専門人材ほど1人あたりの紹介料が高くなりやすい |
| 年収400万円の人材 | 約120〜140万円の例 | 複数人採用すると数百万円単位になる |
| 年収500万円クラスの人材 | 約150〜175万円の例 | 採用後の定着まで見なければ投資効果を判断しにくい |
注意:上記は動画内で紹介された数値です。実際の紹介手数料は、人材紹介会社、職種、候補者年収、契約条件などによって異なります。

人材紹介会社の仲介手数料
1.2. 求人票を渡して「紹介を待つだけ」では主導権を失いやすい
動画では、多くの会社が人材紹介会社へ求人票を渡した後、候補者の紹介を待つだけになっていると指摘されています。
人材紹介会社も営業活動を行う企業です。採用が決まることが成果になるため、複数の求人を持っている場合、結果につながりやすい案件を優先する動きは自然です。
だからこそ、採用企業側が「求人を出したから後は任せる」という状態になると、自社が本当に欲しい人材よりも、決まりやすい候補者が先に紹介される構造が生まれる可能性があります。
2. エージェントコントロールとは「採用の主導権を自社に戻すこと」
エージェントコントロールという言葉から、「人材紹介会社へ細かく指示を出す」「手数料を交渉する」といったイメージを持つかもしれません。
しかし動画の結論は異なります。エージェントコントロールは、人材紹介会社との交渉術ではなく、自社の採用戦略全体を見直す作業です。
2.1. 自社で管理すべき4つのポイント
動画の終盤では、採用を自社主導で設計するために、少なくとも次の項目を自社側で持つ必要があると整理されています。
- 求める人物像の言語化:どのような人材を採りたいのかを曖昧にしない
- 複数エージェントの管理:どこへ何を依頼し、どのような候補者が紹介されているかを把握する
- 他チャネルとの比較評価:人材紹介だけに依存せず、他の採用手法とのバランスを確認する
- 成果の確認:支払った紹介手数料だけでなく、実際に入社・定着した人数まで見る
人材紹介会社の数を増やすこと自体が目的ではありません。採用に必要な人材像と成果基準を自社で持ち、紹介会社を採用戦略の一つのチャネルとして位置づけることが重要です。

エージェントコントロールとは?
2.2. 主導権を握ることは、エージェントとの関係を悪くすることではない
動画では、自社が明確な基準を持ってエージェントと向き合うことで、紹介会社側も「この会社にはしっかり紹介しなければならない」と認識し、優先的な紹介につながる可能性があると説明されています。
主導権を持つことは、関係を悪くすることではなく、適度な緊張感のある関係を作ることです。
「任せる」と「丸投げする」は別です。
採用要件と成果基準は自社が持ち、エージェントにはその基準に沿って協力してもらう。この役割分担が必要です。
3. 3社へ同じ求人を丸投げした会社で起きたこと
動画では、ある専門工事会社の事例が紹介されています。その会社では、社長の判断で3社のエージェントへ同時に同じ求人を依頼していました。
3.1. 競合していることが分かると「まず決まりそうな候補者」が優先される
各エージェントは、他社にも同じ求人が出ていることを把握していました。その結果、時間をかけて最適な候補者を探すよりも、先に決まりそうな候補者を紹介する動きになっていたと説明されています。
これは「複数の人材紹介会社を使ってはいけない」という意味ではありません。問題は、同じ条件を複数社へ渡したまま、紹介の質や進捗を自社で管理していなかったことです。
3.2. 年間数百万円を支払っても、半数近くが1年以内に離職
その会社では、年間の紹介手数料として数百万円を支払っていたにもかかわらず、入社した人材の半数近くが1年以内に離職していました。
採用人数だけを見れば「採れた」と評価できます。しかし、紹介手数料を支払い、入社後の教育にも時間を使った人材が短期間で辞めれば、採用投資としての成果は大きく下がります。
経営者が確認すべきなのは「何人採用できたか」だけではなく、いくら支払い、何人が残り、どれだけ戦力化したかです。

採用コストイメージ図
4. 採用コストは「紹介手数料」だけで見ない
人材紹介会社へ支払う費用は目に見えるため、経営者も把握しやすい数字です。しかし、採用が遅れることや、採用後に早期離職することで発生する損失は、採用費の項目だけでは見えません。
4.1. 動画では、建設業は若手の早期離職が課題として示されている
動画内では、建設業の高卒採用者の3年以内離職率が約41%、大卒が30.5%というデータが紹介されています。一方で、建設業全体の離職率は10.1%で、全産業平均の15.4%より低いという数字も示されています。
動画では、この差から「ベテラン社員が大量に辞めているのではなく、若手や途中入社した人材の離職が経営者から見えにくい形で採用コストを重くしている」と説明されています。
注意:上記の離職率は動画内で紹介された数値です。文字起こし資料には統計の出典名・調査年が記載されていないため、本記事では動画内の説明として掲載しています。
4.2. 採用の遅れは「受注できない」という機会損失にもつながる
必要な人材が現場へ入るまで数か月かかれば、その間に案件を受注しても、人手不足を理由に断らざるを得ない場合があります。
また、人員不足の状態で現場を回せば、既存のベテラン社員へ負担が集中します。つまり、採用の遅れは単なる採用課題ではなく、受注機会の損失や既存社員の負荷増大につながる経営課題です。
採用費を見るときは、「紹介料」だけでなく「採用できなかったことで失った売上機会」まで見る。
ここまで含めて初めて、採用投資の良し悪しを経営目線で判断できます。

採用失敗事例
5. 採用の主導権を取り戻すために経営者が確認する4項目
エージェントコントロールを始めるときに、まず必要なのは新しい採用サービスを増やすことではありません。現在の人材紹介の使い方を数字と基準で見直すことです。
5.1. 年間の紹介手数料と「実際に定着した人数」を並べて見る
動画の終盤では、経営者への問いとして「年間でエージェントへ支払っている手数料」と「そこから実際に定着した人材人数」を比較し、その数字に経営目線で納得できるか確認することが示されています。
少なくとも、次の4項目は一覧化しておくと現状を把握しやすくなります。
- 年間で人材紹介会社へ支払った総額
- エージェント経由で入社した人数
- 一定期間後も定着している人数
- 紹介会社ごとの候補者数・採用数・定着状況
「紹介が多い会社」が良いのではなく、自社が求める人材を採用でき、定着につながっている会社を評価する必要があります。
5.2. 人材紹介への依存度を把握し、他チャネルとのバランスを取る
動画では、エージェントへの依存度を自社で把握・調整できるようになると、他の採用チャネルとのバランスも取りやすくなり、採用全体を自社主導で描けるようになると説明されています。
これは、採用を「必要になるたびにお金で解決する」状態から、自社の採用力を資産として積み上げる経営への転換でもあります。
3年後、5年後を見据えたとき、採用が強い会社との差は、月々の求人広告費だけでなく、採用の主導権を誰が持っているかによって広がります。

採用の主導権を取り戻す4ステップ
6. まとめ:人材紹介会社を変える前に「採用の主導権」を見直す
人材紹介会社は、建設業・塗装業・リフォーム業の採用において有効な手段の一つです。問題は、人材紹介会社を使うことではなく、求人票を渡して紹介を待つだけになり、採用判断の主導権まで外へ渡してしまうことです。
- 人材紹介の手数料は、一般的に理論年収の30〜35%程度、専門エージェントでは40〜50%程度になる場合があると動画で説明されている
- 求人票を渡して待つだけでは、決まりやすい候補者・案件が優先されやすい
- 複数エージェントへの丸投げは、紹介数が増えても採用精度・定着につながらない可能性がある
- 採用コストは紹介手数料だけでなく、早期離職と採用の遅れによる機会損失まで見る
- 求める人物像、エージェントごとの成果、他チャネルとの比較、定着人数を自社で管理する
- エージェントコントロールは交渉術ではなく、採用戦略全体を自社主導へ戻す取り組み
まずは、「今年、紹介会社へいくら支払い、そのうち何人が今も定着しているか」を確認してみてください。その数字が、現在の採用戦略を見直す出発点になります。
7. よくある質問
Q. エージェントコントロールとは何ですか?
A. 人材紹介会社との値下げ交渉や強い管理を指すものではありません。求める人物像を言語化し、複数エージェントの動きと成果を把握し、他の採用チャネルと比較しながら、採用戦略全体を自社主導で設計する取り組みです。
Q. 建設業の人材紹介手数料はいくらですか?
A. 動画内では、一般的な人材紹介で理論年収の30〜35%程度、施工管理など建設業の専門エージェントでは40〜50%程度になる場合があると説明されています。実際の料金は紹介会社や契約条件によって異なります。
Q. 複数の人材紹介会社へ同時に依頼しても問題ありませんか?
A. 複数社を使うこと自体が問題なのではありません。ただし、同じ求人条件を各社へ渡して紹介を待つだけでは、紹介の質や進捗を管理しにくくなります。紹介会社ごとの候補者数、採用数、定着状況を自社で把握することが重要です。
Q. 人材紹介会社の成果は何で判断すればよいですか?
A. 紹介人数だけでなく、年間で支払った紹介手数料、実際の採用人数、一定期間後も定着している人数を並べて確認します。採用後の定着まで含めて見ることで、紹介会社ごとの投資対効果を判断しやすくなります。
Q. エージェントコントロールをすると紹介会社との関係が悪くなりませんか?
A. 動画では、主導権を持つことは関係を悪くすることではなく、適度な緊張感のある関係を作ることだと説明されています。自社が明確な採用基準を持つことで、紹介会社側も求人の優先度や候補者選定を判断しやすくなります。