【ナフサショック総集編】塗装・リフォーム会社が今週中に取り組むべき15項目
住宅塗装会社・リフォーム会社・建設会社の経営者向け
材料不足への対応だけでは不十分。財務・融資・調達・営業・現場管理を同時に見直し、利益と手元資金を守る
- 財務:6月〜8月の受注高・完工高・入金予定を並べ、入金の空白を把握する
- 資金:月商2〜3ヶ月分の現金を目安に、悪化が軽微なうちから金融機関へ相談する
- 調達:商社・塗料店を複数化し、材料の発注日・入荷日・納期を週次で追跡する
- 営業:原価を再設定し、見積もり有効期限を10日〜2週間に短縮する
- 利益:受注高だけを追わず、価格転嫁と早期発注によって赤字工事を防ぐ
材料不足より怖いのは、利益率の低下と「入金の空白」。
ナフサショックを乗り切る財務・営業・調達の実践ロードマップ
【本記事で分かること】
- ナフサショックが塗料・シンナー・住宅設備・工期へ与える影響
- 材料不足以上に警戒すべき「入金の空白」と資金繰り悪化の仕組み
- 月商2〜3ヶ月分の現金を確保するために確認すべき数字
- 銀行融資を相談する際に必要な3つの資料と説明ストーリー
- 原価高騰から利益を守る見積もり・値引き・早期発注のルール
- 材料の発注・入荷・色決め・着工を会社全体で管理する方法
- ナフサショックを追客や情報発信の機会へ変える考え方
材料が届かなくなる前に、会社の現金が尽きる。
今週中に経営ルールを変えることが重要です。
ナフサショック対策で最初に見るべきなのは、材料の在庫だけではありません。工事の遅れによって入金が止まり、手元資金が不足するまでの時間を把握する必要があります。
「塗料やシンナーが予定どおり入荷するか分からない」
「値上がり前に受注した工事の利益が残らない」
「工期が遅れた場合、いつ入金が止まるのか把握できていない」
「銀行へ相談したいが、何を準備すればよいか分からない」
中東情勢などを背景にナフサの供給が不安定になると、塗料・シンナーだけでなく、給湯器、窓、玄関、エコキュート、ソーラーなどの住宅設備にも影響が広がります。
しかし、経営者が材料不足以上に警戒すべきなのが、工事の遅延によって完工と入金が後ろ倒しになる「入金の空白」です。受注があっても工事を完了できなければ、売上は現金になりません。材料費や人件費などの支払いだけが先行すると、黒字の会社でも資金繰りが急速に悪化します。
本記事では、ナフサショックを扱った3本の動画内容をもとに、住宅塗装会社・リフォーム会社・建設会社が今すぐ見直すべき財務・融資・調達・営業・現場管理の具体策を一つのロードマップとして解説します。
本記事の数値・予測について:ナフサ精製量、倒産件数、価格上昇率、時期予測などは、動画撮影当時の情報に基づいています。実際の価格、供給状況、融資条件は地域・メーカー・金融機関・取引条件によって異なるため、最新情報を個別に確認してください。
▼財務対策と銀行融資の考え方はこちら▼
1. ナフサショック対策の結論
塗装会社が行うべきナフサショック対策は、材料の買い増しだけではありません。
まず6月〜8月の受注高・完工高・入金予定を並べ、工事遅延によって現金が不足する時期を確認します。そのうえで、月商2〜3ヶ月分を目安に手元資金を確保し、悪化が軽微な段階で銀行や日本政策金融公庫などへ相談します。
同時に、材料原価の再設定、見積もり有効期限の短縮、契約後1週間以内の発注、複数の調達ルート、納期の週次確認を徹底し、売上ではなく利益と入金を守る経営へ切り替えることが重要です。
2. ナフサショックとは?塗装会社・リフォーム会社への影響
ナフサは、原油を精製する過程で得られ、塗料やシンナーをはじめとする石油化学製品の原料になります。動画内では、中東情勢の緊迫化によって原油供給が不安定になり、4月時点でナフサの精製量が20%減少している状況が紹介されています。
供給不安が広がると、実際の不足だけでなく、価格高騰を見越した発注集中や買い占めが起こり、市場で材料が確保しにくくなります。動画では、シンナーが30%以上値上がりしている例や、塗料メーカーの値上げ、住宅設備メーカーの受注停止・納期遅延が取り上げられています。
塗料・シンナーだけでなく住宅設備にも影響する
ナフサショックの影響は外壁塗装工事だけに限りません。リフォーム工事では、給湯器、窓、玄関、エコキュート、ソーラーなどの住宅設備に2〜3ヶ月の納期遅延が発生する可能性も指摘されています。
塗装工事と住宅設備工事を同時に受注している場合、一部の設備が届かないだけで工事全体の完了が遅れ、請求・入金まで後ろ倒しになることがあります。資材ごとの納期だけでなく、案件全体の完工条件を確認することが必要です。
供給が戻っても、価格と資金繰りの問題は残る
動画③では、今回の供給不足には報道や憶測を受けた発注集中・買い占めの側面があり、急激な需要増が起きたウッドショックとは状況が異なるため、供給自体は1〜2ヶ月で落ち着く可能性があると予測されています。
一方、動画①では、工事遅延の影響が時間差で資金繰りへ表れ、6月〜8月に悪化がピークを迎える可能性が指摘されています。つまり、材料の供給が戻る可能性と、会社の資金繰りが悪化する時期は別に考える必要があります。
過去のウッドショックやコロナ禍と同様に、一度上がった資材価格がすぐ元に戻るとは限りません。供給回復を待つだけではなく、値上がり後の原価を前提とした見積もり・粗利・資金計画へ切り替えることが重要です。
▼ナフサショックの現状と調達対策はこちら▼
3. 今すぐ確認すべき3つの経営リスク
リスク1:値上がり前の原価で見積もり、赤字工事になる
材料価格が短期間で上がる局面では、見積もり時点と実際の発注時点で原価が変わります。数ヶ月先の工事を現在の原価で受注すると、売上は確保できても粗利が大きく低下し、場合によっては赤字工事になります。
特に注意したいのは、過去の単価表や原価表をそのまま使い続けることです。材料商社・メーカーから最新価格を取得し、塗料、シンナー、シーリング材、下塗り材、養生資材、住宅設備など、主要原価を案件別に見直す必要があります。
リスク2:完工が遅れ、入金の空白が生まれる
材料が入らなければ着工できず、着工できても一部工程が止まれば完工できません。完工後に請求する契約では、工期の遅れがそのまま入金の遅れにつながります。
一方、給与、外注費、家賃、広告費、借入返済などの固定的な支払いは止まりません。損益計算書上では利益が出る見込みでも、入金より支払いが先行すれば現金は不足します。これがナフサショックで最も警戒すべき「入金の空白」です。
リスク3:販売不振と価格転嫁の遅れが倒産につながる
動画内で紹介された東京商工リサーチのデータでは、2025年度から2026年度の1〜4月にかけて、塗装会社の倒産件数がコロナ禍の約2.5倍に増え、倒産原因の約8割が販売不振や資材高騰を価格転嫁できないことに関係すると説明されています。
受注件数だけを維持しても、粗利率が下がり、完工・入金が遅れれば経営は安定しません。今は「何件受注したか」だけではなく、粗利額、完工予定、入金予定、手元現金を同時に確認する必要があります。
4. 財務対策:手元資金と入金予定を守る
6月〜8月の受注高・完工高・入金予定を並べる
最初に行うべき財務対策は、予実管理です。予算と実績を月次で比較し、受注高、完工高、売上高、粗利、入金予定、支払予定のズレを把握します。
特に動画内では、6月〜8月の数字を正確に並べることが推奨されています。案件ごとに、次の項目を一覧化してください。
- 契約金額と契約日
- 材料の発注予定日と入荷予定日
- 着工予定日と完工予定日
- 請求予定日と入金予定日
- 材料費・外注費などの支払予定日
- 遅延が起きた場合に不足する現金額
月次の売上予算だけでなく、案件単位で現金の出入りを確認することで、どの時点で資金が不足するかを早期に把握できます。
現金は最低でも月商2〜3ヶ月分を目安にする
動画では、手元現金を最低でも月商の2〜3ヶ月分確保することが推奨されています。手元現金が月商1ヶ月分を下回る場合は、工事の遅延や大口入金のズレが起きた際に対応できる余地が小さく、非常に危険な状態です。
たとえば月商5,000万円の会社であれば、目安となる現金は1億〜1億5,000万円です。ただし、必要額は固定費、外注比率、入金条件、借入返済、前受金の有無によって変わるため、自社の資金繰り表で確認する必要があります。
悪化が軽微なうちに銀行・公的金融機関へ相談する
融資は、現金が底をついてから申し込むのでは遅すぎます。数字に軽微な悪化が見えた段階で、メインバンクや日本政策金融公庫などへ相談し、運転資金を確保することが重要です。
金融機関は、現在の業績だけでなく、経営者が状況を把握し、今後の回復策を具体的に説明できるかを確認します。見切り発車でも構わないため、まず相談日を設定し、必要資料を確認することが最初の一歩です。
5. 銀行融資を引き出す3つの必須資料と説明ストーリー
決算書だけを持参しても、ナフサショックによる一時的な資金需要と、その後の回復見込みは十分に伝わりません。動画では、次の3点を用意することが必要とされています。
| 必須資料 | 銀行へ伝える内容 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 1. 直近の試算表 | 期首から直近月までの売上・粗利・営業利益・経常利益の実績 | 前年同月・予算とのズレ、粗利率低下の理由 |
| 2. 今後12ヶ月の資金繰り表 | 入金・支払い・借入返済を月別に示し、必要な運転資金を説明する | 最も現金が減る月、融資後の最低残高、返済可能額 |
| 3. 価格転嫁のストーリー | 原価上昇をいつ、どの見積もりから、どの程度販売価格へ反映したか | 粗利率が回復する時期と根拠、受注への影響 |
銀行が納得しやすい説明は「悪化の理由」と「回復時期」がつながっている
動画では、次のような説明例が紹介されています。
「現在は塗料の値上がりによって粗利率が約3ポイント下がっています。しかし、5月以降に提出する見積もりから価格転嫁を進めているため、3ヶ月後には粗利率が回復する見込みです。回復までの入金の空白を補う運転資金として融資をお願いしたいと考えています」
重要なのは、赤字や粗利率低下を隠すことではありません。悪化した理由、すでに行った対策、数字が回復する時期、必要な資金額を一つの流れとして説明します。
有事の融資で絶対に避けるべき3つの行動
- 現金が底をついてから申請する:選択肢が減り、金融機関からも警戒されやすくなります。
- 試算表・資金繰り表なしで申請する:現在の数字と今後の返済計画を説明できません。
- 赤字を隠す・数字を良く見せる:粉飾や虚偽説明で信用を失うと、その後の資金調達が極めて難しくなります。
また、運転資金として借りた資金を、不要不急の設備投資、車両購入、個人的な用途などへ流用することも避ける必要があります。資金使途を明確にし、資金繰り表どおりに管理してください。
6. 調達対策:材料不足でも工事を止めない仕組みを作る
商社・塗料店を1社に依存しない
ナフサショック時は、同じメーカー・同じ材料でも、商社や塗料店によって在庫・入荷時期が異なることがあります。日頃から2社、3社と取引関係を作り、調達先を分散させることが重要です。
ただし、発注先を増やすだけでは十分ではありません。各社に対して、在庫の有無、次回入荷日、代替商品の有無、メーカー別の供給状況を確認し、案件ごとに最適な調達先を決めます。
下請け任せだった副資材も自社で把握する
塗料だけ確保できても、シーリング材、下塗り材、養生テープなどの副資材が不足すれば工事は止まります。これまで職人や下請け会社へ調達を任せていた資材についても、使用量・在庫・発注先を自社で把握する必要があります。
案件ごとに必要資材を洗い出し、契約後すぐに発注するもの、色決め後に発注するもの、代替可能なものを区分しておくと、調達判断が速くなります。
社長・幹部が直接交渉し、情報の精度を上げる
供給が不安定な時期は、担当者間の通常連絡だけでは必要な情報が集まらない場合があります。動画では、社長や幹部が材料卸・商社・メーカーへ直接確認し、材料確保や代替品の交渉を行うことが推奨されています。
トップが介入する目的は、無理に在庫を囲い込むことではありません。複数の情報を集め、実際に不足している材料と、発注集中によって一時的に品薄になっている材料を見極め、冷静に判断することです。
7. 営業対策:赤字工事を防ぐ6つの指標
材料費が上がる局面では、受注件数を増やすだけでは利益を守れません。動画②では、営業・経営層が共通して管理すべき6つの指標が紹介されています。
| 指標 | 具体的な対策 | 守れるもの |
|---|---|---|
| 1. 原価の再設定 | 動画内の目安として材料費を約1.3倍で見込み、見積もり有効期限を10日〜2週間に設定する | 粗利率・粗利額 |
| 2. 値引きの条件化 | 値引きする場合は、早期の色決め・即発注・工期前倒しなどを交換条件にする | 材料確保・利益 |
| 3. 色決めの早期化 | 契約後1週間〜10日以内に色を決め、シーリング材・下塗り材を含めて発注する | 着工日・納期 |
| 4. 納期の追跡 | 発注後も週1回〜2週間に1回、商社・メーカーへ入荷予定を確認する | 完工・入金予定 |
| 5. 情報の共有化 | 発注日、入荷日、色決め、着工、完工、顧客連絡を週次会議で共有する | 対応漏れ・属人化 |
| 6. トップの介入 | 遅延・クレーム懸念案件は社長・幹部が確認し、代替材料やグレード変更を判断する | 顧客満足・信用 |
注意:材料費を1.3倍で見込む方法は、動画内で紹介された対策の目安です。すべての案件へ一律に適用するのではなく、実際の仕入価格、工期、使用量、メーカーの値上げ幅を確認して原価を設定してください。
▼営業が押さえるべき6つの指標はこちら▼
8. 見積もり・契約ルールを今週中に変更する
見積もり有効期限は10日〜2週間に短縮する
数ヶ月間有効な見積もりを出すと、その間に材料価格が上がった場合でも、提示済みの価格で契約することになります。すべての見積書に価格変動の可能性を明記し、有効期限を10日〜2週間に設定します。
あわせて、工事予定時期を明記し、契約時期だけでなく発注・着工時期によって金額を再確認するルールを作ります。口頭説明だけで終わらせず、見積書や契約時の確認資料へ記載することが重要です。
数ヶ月先の工事は、原価と納期を確認してから受注する
季節をまたぐような遠い工期の案件は、見積もり時点から材料価格や供給状況が大きく変わる可能性があります。安易に受注せず、工期を前倒しできないか確認するか、価格再協議の条件を設定します。
材料価格を確定できず、利益を守る条件も合意できない場合は、受注を見送る判断も必要です。今は売上を積み上げることより、赤字工事を増やさないことが優先されます。
値引きは早期発注とセットにする
顧客から値引きを求められた場合、単純に価格だけを下げると利益が減るだけです。値引きに応じる代わりに、早期の色決め、契約後の即発注、着工時期の前倒しなど、材料確保につながる条件を提示します。
このトレードオフを明確にすると、顧客にとっても「なぜ今決める必要があるのか」が分かりやすくなり、会社側も原価上昇リスクを抑えやすくなります。
9. 完工・入金遅延を防ぐ週次管理表を作る
材料の発注や納期確認を営業担当者へ任せきりにすると、問題が発覚した時点では顧客への説明や代替品の手配が間に合わない場合があります。会社全体で案件状況を共有し、週次で更新する仕組みが必要です。
| 管理項目 | 確認内容 | 異常時の対応 |
|---|---|---|
| 色決め期限 | 契約後1週間〜10日以内に決定できるか | 営業責任者が顧客へ連絡し、決定日を確定する |
| 材料発注日 | 塗料・シーリング材・下塗り材・副資材を発注済みか | 未発注理由を確認し、当日中に担当と期限を決める |
| 入荷予定日 | 商社・メーカーから回答を得ているか | 別商社・別メーカー・代替品を確認する |
| 着工・完工予定 | 材料入荷を前提に工程が成立しているか | 工程を組み直し、顧客へ変更予定を説明する |
| 請求・入金予定 | 完工遅延が資金繰りへ与える影響 | 資金繰り表を更新し、必要に応じて金融機関へ相談する |
| 顧客連絡日 | 遅延・変更の可能性を先回りして説明できているか | 社長・幹部が同席し、代替案と新工程を提示する |
週次会議では、単に「発注済み」「確認中」と報告するのではなく、いつ発注したか、いつ回答が来るか、いつまでに代替案を決めるかまで明確にします。期日と責任者が決まっていない情報は、管理されていない状態と同じです。
10. 材料遅延によるクレームを防ぐ顧客説明と代替提案
不安を煽らず、客観情報と期限を伝える
顧客へ「材料がなくなる」「今すぐ契約しないと工事できない」と強く迫るだけでは、不信感につながります。中東情勢や資材供給に関する公的資料、メーカー・商社からの納期回答など、客観的な情報を示しながら説明します。
伝えるべきなのは、危機感だけではありません。現在の在庫状況、色決めの期限、発注後の見込み納期、工期へ影響する条件を具体的に伝え、顧客が判断できる状態を作ります。
溶剤から水性への変更など、複数の選択肢を用意する
予定していた材料が入らない場合、メーカーや塗料の変更、溶剤塗料から水性塗料への変更などを検討します。ただし、単に代替品へ変えるだけでは、顧客が品質低下を心配する可能性があります。
動画では、代替案を提示する際に、塗料のグレードをワンランク上げるなど、顧客が納得しやすい条件を社長・幹部主導で提案する方法が紹介されています。性能、耐久性、追加費用、保証、工期への影響を整理し、選択肢として提示します。
遅延が確定する前に連絡する
クレームが大きくなる原因は、遅延そのものだけでなく、顧客が直前まで知らされていないことです。納期に不確定要素がある時点で状況を共有し、次回連絡日を約束します。
「確認中です」で終わらせず、「○日までにメーカーへ再確認し、○日に改めて連絡します」と期限を伝えることで、顧客の不安を抑えやすくなります。
11. ナフサショックを追客・情報発信の機会へ変える
ナフサショックは、原価高騰や材料不足を招く一方で、検討中の顧客へ連絡する明確な理由にもなります。動画では、「値上がり前のキャンペーン」や、顧客を安心させるブログ・動画発信によって、この状況を営業機会へ変える考え方が紹介されています。
検討中顧客へ値上げ可能性と判断期限を案内する
過去に見積もりを提出した顧客へ、材料価格の変更可能性、現在の見積もり有効期限、契約後の発注期限を案内します。安売りをするのではなく、価格と納期が変わる可能性を正確に伝えることが追客のフックになります。
ブログ・動画では「会社の対応」を具体的に示す
顧客が知りたいのは、ナフサショックの一般論だけではありません。自社では材料をどのように確保しているか、見積もり価格はいつまで有効か、契約後は何日以内に発注するか、材料が遅れた場合にどのような代替案を用意するかを発信します。
正しい情報を継続して発信すると、過度に不安を煽る会社との差別化につながり、相談・見積もりのきっかけを作れます。
12. 今週中に実行するナフサショック対策15項目
ナフサショック対策を会議だけで終わらせないために、次の15項目を担当者と期限まで決めて実行します。
- 6月〜8月の受注高・完工高・入金予定を案件別に並べる
- 今後12ヶ月の資金繰り表を作成・更新する
- 手元現金が月商何ヶ月分あるか確認する
- 現金が月商2ヶ月分を下回る可能性があれば金融機関へ相談する
- 直近の試算表を月次決算ベースで準備する
- 主要材料の最新仕入価格を商社・メーカーへ確認する
- 見積もり原価と販売価格を再設定する
- 見積もり有効期限を10日〜2週間へ変更する
- 見積書へ価格変動リスクと工事予定時期を明記する
- 契約後1週間〜10日以内に色決めを完了する
- 塗料・シーリング材・下塗り材・副資材を早期発注する
- 商社・塗料店を2〜3社へ分散し、代替調達ルートを確保する
- 発注日・入荷日・着工日・完工日・入金日を週次で共有する
- 遅延懸念案件には、社長・幹部が代替案を用意して顧客説明する
- 検討中顧客へ、値上げ可能性と現在の見積もり期限を案内する
すべてを一度に完璧に整える必要はありません。最優先は、現金が不足する時期を把握すること、赤字工事を止めること、材料の入荷状況を週次で追える状態にすることです。
13. まとめ:売上ではなく、利益と現金を守る経営へ切り替える
ナフサショックでは、材料不足への対応だけに目を向けると、工事遅延による入金の空白や、原価上昇による粗利率低下を見落とします。供給が1〜2ヶ月で落ち着く可能性があっても、値上がりした原価や遅れた入金が経営へ与える影響はその後も残ります。
- 受注高・完工高・入金予定を月次・案件別に管理する
- 月商2〜3ヶ月分を目安に手元現金を確保する
- 悪化が軽微なうちに金融機関へ相談する
- 試算表・12ヶ月資金繰り表・価格転嫁の説明を準備する
- 材料原価を更新し、見積もり有効期限を10日〜2週間にする
- 色決め・発注・納期確認を早め、会社全体で週次管理する
- 調達先を分散し、遅延時の代替材料と顧客説明を用意する
今は、受注件数や売上だけを追う時期ではありません。上がった原価を販売価格へ反映し、完工と入金まで管理し、利益と現金が残る案件を確実に進めることが求められます。
14. ナフサショック対策に関するよくある質問
Q. ナフサショックとは何ですか?
A. 原油供給の不安定化や供給不安を背景に、塗料・シンナーなどの原料となるナフサや関連資材が不足・値上がりする状況です。塗装工事だけでなく、住宅設備の納期、工期、完工、入金にも影響します。
Q. 塗装会社が最初に行うべき対策は何ですか?
A. 受注高だけでなく、完工高、入金予定、支払予定を案件別に並べ、工事遅延によって現金が不足する時期を確認することです。同時に、主要材料の最新原価と入荷予定も確認します。
Q. 手元現金はどのくらい確保すべきですか?
A. 動画内では、最低でも月商2〜3ヶ月分が目安とされています。月商1ヶ月分未満の場合は、完工・入金の遅れに対応できる余地が小さいため、早めに資金繰り表を作成し、金融機関へ相談することが推奨されています。
Q. 銀行へ相談する際に必要な資料は何ですか?
A. 直近の試算表、今後12ヶ月の資金繰り表、原価上昇に対してどのように価格転嫁し、いつ粗利率が回復するかを示す説明資料の3点が必要です。
Q. 見積もり有効期限はどのくらいにすべきですか?
A. 動画では10日〜2週間へ短縮する方法が推奨されています。見積書には価格変動の可能性と工事予定時期を明記し、有効期限を過ぎた場合は最新原価で再見積もりします。
Q. 材料費は一律で1.3倍にすべきですか?
A. 1.3倍は動画内で示された対策の目安であり、一律適用ではありません。実際の仕入価格、使用量、工期、メーカーの値上げ幅を確認し、案件ごとに必要な原価を設定してください。
Q. 材料の納期遅延によるクレームを防ぐ方法はありますか?
A. 遅延が確定する前から状況を共有し、次回連絡日を約束します。あわせて、別メーカー、溶剤から水性への変更、塗料グレードの変更など、性能・費用・工期を整理した代替案を提示します。
Q. ナフサショックを営業活動に活用しても問題ありませんか?
A. 過度に不安を煽らず、材料価格、見積もり期限、発注期限、納期見込みを正確に伝えることが前提です。検討中顧客への案内や、値上げ前キャンペーン、ブログ・動画での情報発信は、誠実な追客のきっかけになります。