「社長しか売れない」から脱却。住宅塗装事業が1億円から2億円へ。

「社長しか売れない」から脱却。住宅塗装事業が1億円から2億円へ。

社長一人の営業から、社員も売上をつくれる体制へ。

公共工事と住宅塗装を手がけるH社(仮称)は、営業の仕組み化、自社集客、ショールームの専門店化を進め、住宅塗装事業の売上を約1億円から約2億円へ伸ばしました。本記事では、実施した施策と確認できた成果を紹介します。

【H社の概要(支援当時)】

  • 地域:中部地方
  • 業種:塗装工事業(公共工事・住宅塗装)
  • 従業員数:5名
  • 住宅塗装事業の売上:約1億円
  • 主な課題:社長中心の営業、ポータルサイト等に頼らない集客、営業人材の育成、店舗の専門店化

支援では、広告だけ、営業研修だけを個別に改善するのではなく、問い合わせから商談、店舗での説明、人材育成までを一連の流れとして見直しました。

結果として、公共工事を含む会社全体の売上は約4億円に達し、公共工事から営業に転向した社員は年間約1.5億円の売上を担当するまでに成長しています。
※なお、売上の集計範囲や時点が異なる数値は合算できません。

1. 社長の営業力が強みである一方、成長の制約にもなっていた

H社では、職人経験のある社長が住宅塗装の営業を中心になって担っていました。建物の状態や施工方法を自分の言葉で説明できることは強みです。しかし、商談の進め方が社長個人の経験に依存すると、社員へ仕事を引き継ぎにくくなります。

そこで着手したのが、社長の提案方法を整理し、営業未経験者でも現地調査から見積もり説明まで段階的に学べる状態にすることでした。あわせて、ポータルサイトに依存しすぎず、自社のWebとチラシから相談を獲得する取り組みも進めました。

営業担当者を増やすだけでは、問い合わせが足りなければ商談機会を確保できません。逆に集客だけを増やしても、対応が社長一人に集中したままでは受注機会を逃す可能性があります。両方を並行して整える方針でした。

社長中心の営業と役割分担した営業体制の比較図

2. 営業の進め方を整理し、未経験社員が売上をつくる体制へ

営業の仕組み化では、社長が経験則で行っていた説明を、商談の流れに沿って整理しました。対象は、現地調査で確認する点、顧客の悩みの聞き取り、劣化状況と工事内容の説明、見積もりの比較、商談後の振り返りです。

住宅塗装では、金額だけでなく、どの劣化にどの工事が必要なのか、保証や施工品質をどう判断すればよいのかを説明する必要があります。営業担当者が異なっても説明の抜け漏れを減らせるよう、提案の流れを共通化しました。

この取り組みの中で、公共工事を担当していた営業未経験の社員が住宅塗装の営業へ転向。商談を学び実践を重ね、転向から約1年で年間約1.5億円の売上をつくるまでに成長しました。

この成果は社員個人の働きによる部分もあり、仕組み化だけで達成したと断定はできません。ただ、社長以外の社員が住宅塗装の売上を担えるようになった点は、H社の営業体制における大きな変化です。

▶ 営業・組織づくりを含む経営支援について見る

現地調査から提案と振り返りまでの住宅塗装営業プロセス

3. Webとチラシを組み合わせ、自社で問い合わせを獲得

営業の受け皿を整えるのと並行して、H社はポータルサイトへの依存を減らすため、自社ホームページ、Webマーケティング、チラシを活用した集客を強化しました。

Webでは、工事を具体的に検討している人だけでなく、外壁の劣化が気になり始めた住宅所有者にも接点をつくり、問い合わせへの導線を改善。チラシでは、商圏内の住宅所有者に会社を知ってもらう接点を設けました。

共有された実績では、Web問い合わせは従来の月5件程度から、多い月で約10件になりました。チラシは約5,000部につき1件程度の問い合わせを獲得し、集客全体では前年比約200%となっています。

ただし、月10件は最多月の水準であり、毎月の平均値ではありません。また、前年比約200%の対象期間と集計対象、チラシ反響の集計方法は公開前に確認が必要です。

▶ Web集客×アナログ集客(チラシ)のハイブリット反響型営業のレポートを見る。

Webとチラシから自社への問い合わせにつながる導線図

4. ショールームを専門店として見直し、相談から提案までをつなぐ

H社は既存のショールームもリニューアルしました。住宅塗装は完成前に施工品質を判断しづらいため、店舗では工事内容や会社の特徴を顧客に説明できることが求められます。

今回の取り組みでは、住宅塗装専門店としての特徴を伝える店舗づくりを進めました。Webやチラシで興味を持った人が来店したとき、広告で伝えた内容と営業担当者の説明が食い違わないようにする考え方です。

ショールーム単独の来店数や成約率の変化は資料にありません。そのため、店舗改装による売上増加額を示すことはできませんが、集客・営業とあわせて見直した施策の一つです。

さらに、今後の事業拡大に向けて採用にも着手しました。採用人数や時期の記録はないため、採用成果を数字で評価するのではなく、営業人材の育成と並行して取り組んだ事実にとどめます。

営業・集客の課題を整理し、次の成長戦略を考える

社長に集中する商談、自社集客、営業人材の育成。自社では何から着手すべきか、現状の数字と体制を踏まえて検討できます。

5. まとめ|住宅塗装事業約2億円、会社全体約4億円

H社の経営改革では、営業、人材育成、自社集客、ショールームの専門店化を組み合わせて取り組みました。共有された成果は次のとおりです。

項目 共有された成果
住宅塗装事業の売上 約1億円から約2億円
会社全体の売上 公共工事を含め約4億円
営業へ転向した社員 約1年後、年間約1.5億円の売上
Web問い合わせ 月5件程度から、多い月で約10件
チラシの問い合わせ 約5,000部につき1件程度
集客全体 前年比約200%

約2億円は住宅塗装事業のみ、約4億円は公共工事を含む会社全体の売上です。営業社員の年間売上も会社売上に加算する別枠の数字ではありません。

※いずれもH社の個別事例として共有された数値です。達成時期や集計条件の詳細は要確認であり、同様の成果を保証するものではありません。

住宅塗装事業の約1億円から約2億円への成長と会社全体約4億円の区別

6. この事例から、自社で最初に確認したいこと

年商1億円前後の住宅塗装会社がH社の取り組みを参考にするなら、最初に確認したいのは「売上を増やすための人手が足りないのか」「商談の進め方が社長に集中しているのか」「問い合わせの獲得経路が限られているのか」という違いです。

たとえば、問い合わせはあるのに社長が商談を抱えている場合、広告予算を増やす前に営業の役割分担を検討できます。一方、営業担当者が対応できる余力を持っている場合は、自社集客の改善が先になるかもしれません。

H社の事例は、すべての会社に同じ順番で施策を導入すべきだという話ではありません。集客と営業のどこが成長の制約になっているかを見極め、店舗や採用も含めて施策を組み合わせた点に特徴があります。

住宅塗装事業の次の成長を、経営課題から考える

社長に集中する商談、自社集客、営業人材の育成。自社では何から着手すべきか、現状の数字と体制を踏まえて検討できます。

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