「外壁塗装を新規事業にしたい」経営者へ。参入前に知っておきたい7つのポイント

「外壁塗装を新規事業にしたい」経営者へ。参入前に知っておきたい7つのポイント

もくじ

建設・リフォーム・専門工事会社の経営者向け|外壁塗装の新規事業・元請け化

「下請け中心の経営を変えたい」「既存事業に続く収益の柱をつくりたい」。その選択肢となるのが、外壁塗装・住宅塗装の元請け事業です。

【本記事で分かること】

  • 外壁塗装の新規事業で、施工体制だけでは受注が増えない理由
  • 下請けから住宅塗装の元請け化を進めるために必要な仕組み
  • 参入前に整理しておきたい商圏・集客・営業・人材のポイント
  • 未経験・下請け中心の会社が元請け事業を育てた実践事例

未経験の会社や下請け中心の会社でも、元請け住宅塗装事業を立ち上げることは可能です。既存の施工経験や協力会社とのつながり、顧客基盤を活かせるケースもあります。

ただし、工事ができるだけでは、お客様から直接選ばれる事業にはなりません。自社で集客し、提案し、契約につなげる仕組みが必要です。

本記事では、実際の成功事例を交えながら、外壁塗装の新規事業・元請け化でつまずきやすい点と、立ち上げ前に押さえるべきポイントを解説します。

【要約】外壁塗装の新規事業・元請け化で重要なこと

外壁塗装の新規事業では、「工事を提供する施工体制」と「お客様から直接受注する元請けモデル」の両方を整えることが重要です。

商圏とターゲットを決め、専門店として選ばれる理由を明確にしたうえで、集客・営業・施工・アフターフォロー・人材計画をつなげます。必要な投資や優先順位は、既存の顧客基盤、施工体制、商圏、目標によって変わります。

1. 外壁塗装の新規事業とは?下請けと元請けの違い

本記事では、戸建て住宅の外壁や屋根の塗装・修繕を、一般のお客様から直接受注する事業を「元請け住宅塗装事業」と呼びます。

下請けモデルでは、ハウスメーカーや工務店などから工事の依頼を受け、指定された仕様や条件に沿って施工します。これに対し、元請けモデルでは、自社でお客様との接点をつくり、提案・契約・施工・アフターフォローまでを担います。

下請けと元請けで変わる役割

  • 下請け:発注元から依頼された工事を、品質・納期・安全を守って提供する
  • 元請け:自社でお客様を集め、工事内容と価格を提案し、契約後の施工・顧客対応まで責任を持つ

元請け化によって、自社の提案価値を価格に反映する余地は広がります。ただし、集客費用や営業人員、顧客対応など、自社で負担する業務と費用も増えます。「直接受注すれば利益が増える」と考えるだけでは、事業は安定しません。

元請けとして継続的に受注するには、次の流れを整える必要があります。

  1. エリア認知:地域の住宅所有者に自社の存在と特徴を知ってもらう
  2. 問い合わせ獲得:チラシ・Webサイト・Web広告・紹介などから相談を集める
  3. 現地調査:住宅の状態を確認し、必要な工事を見極める
  4. 提案・見積り:工事の必要性、仕様、価格の根拠を分かりやすく伝える
  5. 契約:競合他社と比較される中で、自社を選んでもらう
  6. 施工・管理:約束した品質と工程で工事を提供する
  7. アフターフォロー:工事後の相談や点検に対応し、紹介・再依頼につなげる

元請け住宅塗装事業は、施工だけを切り出して考えるのではなく、お客様に知ってもらう段階から、工事後までを一つのサービスとして設計する事業です。

外壁塗装の元請け事業に必要な認知・集客・営業・施工・アフターフォローの流れ

外壁塗装の元請けビジネスイメージ図

2. 施工力があっても、住宅塗装の元請け受注が増えない理由

参入時につまずきやすいのが、「良い工事ができれば、お客様から選ばれるはずだ」という考え方です。

施工品質は欠かせません。しかし、工事を依頼する前のお客様には、各社の技術の違いが見えにくいものです。まずは自社を知ってもらい、施工実績や診断・提案の内容を通じて、「この会社なら任せられる」と感じてもらう必要があります。

下請け工事で評価されてきた会社でも、一般のお客様に向けた情報発信や商談の進め方は、新たに整えなければなりません。

実際に弊社が支援したG社は、下請け工事を中心に年商約8億円まで成長した企業でした。一方、元請け住宅塗装事業については、ノウハウのない状態からのスタートでした。

独自に塗装専門店ブランドを立ち上げ、チラシ配布やWebサイト制作にも取り組んでいましたが、十分な反響を得られず、安定した受注につながっていませんでした。

必要だったのは、広告を増やすことだけではありません。一般のお客様に選ばれる専門店としての見せ方と、問い合わせを契約につなげる仕組みを整えることでした。

【事例】下請け年商8億円の会社が、元請け住宅塗装へ挑戦

G社では、専門店としての差別化、集客、営業プロセスを一体で見直しました。何を変え、どのように成果につながったのかを、以下の事例で紹介しています。

G社の元請け住宅塗装事業の立ち上げ事例を見る

3. 外壁塗装の新規事業・元請け化と相性が良い会社

外壁塗装事業では、既存事業で培った強みをどのように活用するかが重要です。特に、次のような会社は、自社にある資源を整理するところから参入を検討できます。

3.1. 建設・リフォーム・屋根・防水などの住宅関連会社

住宅や建築に関する知識、施工管理の経験、協力会社のネットワークがある会社は、それらを住宅塗装事業に活かせます。

既存のお客様との接点があれば、外壁や屋根の相談を受けるきっかけにもなります。ただし、既存事業の案内に「外壁塗装もできます」と加えるだけでは、専門店との比較で強みが伝わらないことがあります。

3.2. 下請け比率を下げ、自社で受注をつくりたい会社

発注元の方針や価格条件に左右される状態を変えたい会社にとって、住宅塗装の元請け化は選択肢になります。

その際、下請け事業を一度にやめる必要はありません。既存事業の売上と施工体制を支えにしながら、元請け受注の仕組みを育てるという進め方も考えられます。

重要なのは、元請け事業を誰が担当し、既存事業と人員・施工能力をどう配分するかを決めることです。

3.3. 既存事業に続く「第二の収益の柱」をつくりたい会社

既存事業だけに依存せず、新しい収益源を育てたい会社にも、住宅塗装事業は検討対象になります。

ただし、相性の良い業種であることと、すぐに成果が出ることは別です。商圏の競合状況、担当者の確保、施工体制、自社が選ばれる理由を踏まえて、立ち上げ方を考える必要があります。

建設・リフォーム・屋根・防水など外壁塗装の新規事業と相性が良い既存事業

外壁塗装事業と相性の良い既存事業

4. 外壁塗装の新規参入でつまずきやすい3つの失敗パターン

新規参入では、必要なものを揃えることに意識が向きがちです。しかし、商圏や提供価値が曖昧なまま、広告・店舗・採用に投資すると、受注につながらないまま費用が先行することがあります。

4.1. 商圏や強みを決めず、ホームページ・チラシ制作から始める

「まずホームページを作ろう」「チラシを配って反応を見よう」。施策を動かすこと自体は必要ですが、誰に何を伝えるかが決まっていなければ、制作物にも自社を選ぶ理由が表れません。

先に整理したいのは、対象エリア、狙う住宅・顧客、自社の強み、提案する工事の考え方です。そのうえで、Webやチラシに落とし込みます。

前述のG社では、元請けモデル、専門店としてのポジショニング、営業プロセスを一体で見直した結果、チラシ反響率が約20,000枚に1件から約5,000枚に1件へ改善しました。

Web問い合わせも月5件から最高月10件へ増加し、集客全体では前年比約200%となりました。個別の媒体だけを見るのではなく、事業全体を見直した事例です。

G社が集客・営業の仕組みを見直した取り組みを見る

4.2. 「外壁塗装もできます」で終わり、選ぶ理由が伝わらない

お客様は、地域の塗装専門店やリフォーム会社を比較して依頼先を選びます。その中で「対応できる工事」を並べるだけでは、自社に相談する理由が伝わりません。

どのような住宅の相談に強いのか。診断や提案で何を大切にしているのか。施工と工事後の対応をどのように行うのか。お客様が比較するときに判断できる情報として、自社の強みを示す必要があります。

専門店化は、屋号やロゴを変えるだけの取り組みではありません。商品、提案、施工、顧客対応まで、打ち出した強みと一致させることが重要です。

4.3. 問い合わせを増やしても、営業・施工体制が追いつかない

問い合わせが増えても、現地調査や見積り対応が遅れたり、提案内容が担当者によって変わったりすると、契約につながりにくくなります。

また、受注件数だけを追い、施工管理や協力会社の手配が追いつかなくなると、工程の遅れや品質上の問題につながります。

集客数・成約率・施工能力を、同じ事業計画の中で考えることが必要です。どこを先に強化するかは、自社の現在地によって変わります。

商圏・専門店化・集客・営業・施工体制を整える外壁塗装事業の立ち上げ順序

外壁塗装事業の立ち上げ順序


5. 外壁塗装への参入前に整理したい7つの項目

新規参入を検討するときは、次の7項目について、「すでに自社にあるもの」と「これから整えるもの」を分けてみてください。

  1. 商圏:どのエリアで受注し、現地調査・施工・点検に対応するか
  2. ターゲット:どのような住宅と悩みを持つお客様に選ばれたいか
  3. ポジショニング:地域の競合と比較されたとき、何を選ぶ理由にするか
  4. 施工体制:自社職人・協力会社・現場管理で、品質と施工能力を確保できるか
  5. 集客モデル:Web・チラシ・既存顧客・紹介など、どの経路で相談を集めるか
  6. 営業プロセス:誰が現地調査と提案を行い、契約につなげるか
  7. 人材・組織計画:誰が事業を推進し、既存事業とどう役割を分けるか

参入前に、すべてを完成させる必要はありません。ただし、足りない機能を把握せずに始めると、問い合わせが来てから営業担当者を探す、受注してから施工先を探すといった後手の対応になりやすくなります。

施工体制がある会社なら、集客・営業の仕組みづくりが優先になるかもしれません。既存顧客との接点がある会社なら、施工パートナーと現場管理体制の整備が先になることもあります。

必要な費用・人員・立ち上げ期間は、自社の条件から考える

「初期費用はいくら必要か」「何人で始められるか」「どのくらいで軌道に乗るか」は、参入時に確認したい重要な論点です。

これらは、既存拠点や顧客基盤を活用できるか、施工を自社で担うか、どの商圏でどの規模を目指すかによって変わります。他社の費用や人数をそのまま当てはめても、自社に合った計画になるとは限りません。

まず7項目から自社の現在地を整理し、その条件に合わせて投資・人員・集客・受注計画を具体化することが必要です。立ち上げの考え方を学びたい方はセミナーへ、自社の条件で進め方を整理したい方は個別相談をご活用ください。

外壁塗装の新規参入前に確認する商圏・ターゲット・施工・集客・営業・人材などの7項目

外壁塗装事業 参入前の7項目

6. 未経験・下請けから元請け住宅塗装事業を立ち上げた事例2選

ゲームチェンジでは、建設会社・リフォーム会社・専門工事会社の元請け住宅塗装事業の立ち上げを支援しています。ここでは、出発点の異なる2社の事例を紹介します。

6.1. F社|公共土木中心の建設会社が、元請け塗装・リフォームで年商7億円へ

F社は、もともと公共工事の土木事業を主軸とする建設会社でした。そこから一般のお客様に向けた元請けリフォーム事業へ進出し、さらに外壁塗装の専門店モデルを構築しました。

取り組んだのは、事業モデルの設計、ショールーム戦略、Web集客、採用・育成です。お客様が相談しやすい接点をつくるとともに、受注の増加を支える組織づくりを進めました。

その結果、受注率は20%から60%へ、平均単価は150万円から200万円へ向上。0から立ち上げた元請け事業は、塗装・リフォームを含めて年商7億円規模へ成長しました。

住宅塗装の施工や集客に詳しくない会社でも、既存の強みを活かしながら、元請け事業に必要な機能を整えていった事例です。

F社の専門店化・ショールーム・集客・採用の取り組みを見る

6.2. G社|下請け年商8億円の会社が、住宅塗装の元請け化で集客・受注率・単価を改善

G社は、下請け施工で年商約8億円まで成長していた会社です。施工の技術と経験はありましたが、一般のお客様から直接受注する元請け事業は、新たな挑戦でした。

当初は独自にチラシ配布やWebサイト制作を進めたものの、安定した成果につながらず、集客・営業の仕組みを見直す必要がありました。

そこで、元請けモデルの再設計、専門店としての差別化、営業プロセスの標準化を実施しました。

G社で見られた主な変化

  • チラシ反響率:約20,000枚に1件から、約5,000枚に1件へ改善
  • Web問い合わせ:月5件から、最高月10件へ増加
  • 集客全体:前年比約200%
  • 受注率:約20%から約60%へ向上
  • 平均客単価:約150万円から約200万円へ上昇

問い合わせを増やすだけでなく、その後の提案と契約まで見直したことがポイントです。施工力を、お客様に選ばれる理由として伝え、受注につなげる仕組みを整えました。

G社の元請けモデル再設計と集客・営業改善の詳細を見る

公共土木中心のF社と下請け中心のG社が元請け住宅塗装事業を立ち上げた事例

異なる出発点から元請け事業へ

2社に共通するのは、集客と受注体制を一緒に整えたこと

出発点は異なりますが、両社とも、広告だけを追加したわけではありません。専門店としての見せ方、問い合わせを生む集客、契約につながる営業、受注後の施工・組織をつなげて取り組みました。

なお、掲載した数字は各社の個別事例です。自社で同様の成果を目指すには、商圏や既存体制に合わせた計画が必要になります。

7. 外壁塗装の新規事業は、自社の現在地から立ち上げ方を考える

外壁塗装の新規事業や住宅塗装の元請け化には、共通して押さえるべきポイントがあります。一方で、取り組む順序まで、すべての会社が同じになるわけではありません。

施工力がある会社と、既存顧客が多い会社では、活かせる強みが違います。営業を担える社員がいる会社と、経営者が兼任する会社でも、集客の増やし方や受注目標は変わります。

最初に取り組みたいのは、自社にある強みと不足している機能を整理し、どの順序で整えるかを決めることです。

セミナーでは、実践事例を通じて元請け事業の立ち上げ方を学べます。そのうえで、自社に必要な投資・体制・進め方を具体化したい場合は、個別相談で現在の課題をお聞かせください。

8. まとめ|施工力を、直接受注につながる事業へ育てる

外壁塗装・住宅塗装事業は、建設・リフォーム・専門工事会社が、既存の経験や顧客基盤を活かして取り組める新規事業の一つです。

ただし、元請けとして継続的に受注するには、施工体制に加えて、地域のお客様から選ばれる集客・営業の仕組みが必要になります。

  • 施工できることと、元請けで受注できることを分けて考える
  • 広告を制作する前に、商圏・ターゲット・選ばれる理由を整理する
  • 集客・営業・施工・人材計画を一体で進める
  • 他社の成功事例を、自社の条件に合わせて活用する

「外壁塗装を第二の柱に育てたい」「下請け中心の事業から元請け受注を増やしたい」とお考えの方は、無料セミナーで立ち上げの進め方をご確認ください。すでに具体的な検討課題がある方は、個別相談をご利用いただけます。

9. 外壁塗装の新規事業・住宅塗装の元請け化に関するよくある質問

外壁塗装事業は未経験の会社でも新規参入できますか?

未経験から参入した事例はあります。本記事のF社も、公共土木を中心とする会社から、元請け塗装・リフォーム事業へ進出しました。ただし、施工・集客・営業・顧客対応など、元請け事業に必要な機能を整えることが前提です。自社で活かせる強みと、補うべき機能を整理するところから始めます。

下請け事業を続けながら、住宅塗装の元請け化を進められますか?

下請け事業を維持しながら、元請け受注を育てる進め方も考えられます。既存事業と元請け事業で、営業・施工・管理の担当や能力をどう配分するかが重要です。既存の売上を支えながら、どの段階で元請け比率を高めるかを計画します。

外壁塗装の新規事業には、どのくらいの初期費用が必要ですか?

必要な初期費用は、既存拠点を使うか、新たに出店するか、施工や営業を誰が担うかなどによって変わります。店舗・Webサイト・販促・採用などの費用に加え、立ち上げ期の運転資金も含めて考える必要があります。自社の条件に合わせた進め方を整理したい場合は、個別相談をご活用ください。

自社に塗装職人がいなくても参入できますか?

協力会社を活用する施工体制も考えられます。ただし、工事を任せられる会社の確保に加え、仕様の共有、品質確認、工程管理、顧客対応を自社で担える体制が必要です。自社職人の有無だけでなく、工事の品質と施工能力をどのように確保するかで判断します。

元請け住宅塗装事業を始めるには、ショールームが必須ですか?

ショールームの必要性は、商圏、既存拠点、接客方法、目標とする事業規模によって変わります。F社ではショールームを集客・相談の受け皿として活用しましたが、出店だけで受注が増えるわけではありません。集客と営業の仕組みを含め、自社に適した拠点のあり方を検討することが重要です。

住宅塗装事業の立ち上げには、どのくらいの期間がかかりますか?

既存の施工体制や顧客基盤、担当者の確保状況によって変わります。また、最初の受注を得ることと、継続して受注できる状態をつくることでは、必要な準備が異なります。商圏・商品・集客・営業・施工体制の整備状況を確認し、段階ごとの目標を決める必要があります。

参入時は、まずホームページやチラシを制作すべきですか?

先に商圏、ターゲット、自社が選ばれる理由を整理することをおすすめします。その内容をWebサイトやチラシに反映することで、施策の方向性を揃えやすくなります。制作と並行して、問い合わせを受けた後の現地調査・提案・施工体制も準備してください。

無料セミナーと個別相談は、どちらを利用すればよいですか?

元請け住宅塗装事業の全体像や、立ち上げの進め方を学びたい方には無料セミナーをおすすめします。自社の商圏・施工体制・既存事業を踏まえて、何から取り組むかを整理したい方は個別相談をご利用ください。セミナーで考え方を学んだ後に、個別相談へ進むこともできます。

まだ参入を決めていない段階でも相談できますか?

参入を検討している段階でもご相談いただけます。現在の事業、商圏、顧客基盤、施工・営業体制などを伺い、元請け住宅塗装事業を検討するうえでの課題や、準備すべき項目を整理します。

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