外壁塗装の新規事業は儲かる?売上より先に確認したい採算の条件

外壁塗装の新規事業は儲かる?売上より先に確認したい採算の条件

もくじ

建設・リフォーム・専門工事会社の経営者向け|住宅塗装事業への新規参入

外壁塗装の新規参入で問われるのは、塗装工事ができるかだけではありません。元請けとして選ばれ、受注し、施工する仕組みをつくれるかが重要となります。

【本記事で分かること】

  • 外壁塗装・住宅塗装の元請けビジネスの仕組み
  • 新規参入と相性の良い会社の特徴
  • 商圏・専門店化・集客・営業など、立ち上げ前に考えるポイント
  • F社・G社の新規事業立ち上げ事例

「既存事業とは別に、もう一つ売上の柱をつくりたい」。その選択肢として外壁塗装・住宅塗装事業を検討する建設会社やリフォーム会社もあるでしょう。住宅関連の施工経験や協力会社とのつながりを活かせる可能性がある一方、一般消費者から直接受注する仕組みは別に整える必要があります。

本記事では、外壁塗装ビジネスの全体像と、新規参入の際に整えるべき機能を、具体的な支援事例とあわせて解説します。

結論|「塗装を始める」ではなく「元請け事業をつくる」

元請け住宅塗装事業の立ち上げには、施工体制と顧客から直接受注する仕組みの両方が必要です。

商圏、ターゲット、専門店としての立ち位置を決め、集客・営業・施工・顧客対応を一つの事業として設計します。

1. 外壁塗装・住宅塗装ビジネスとは?元請けと下請けの違い

外壁塗装の仕事には、工務店やリフォーム会社などから工事を請け負う下請けモデルと、住宅所有者から直接依頼を受ける元請けモデルがあります。

下請けでは施工の実行が主な役割になる一方、元請けでは顧客との接点づくりから契約、工事後の対応までを自社で担います。元請け住宅塗装事業の基本的な流れは次のとおりです。

  1. 地域の住宅所有者に会社を知ってもらう
  2. WEB・チラシなどから問い合わせを受ける
  3. 現地調査を行う
  4. 見積もりと工事内容を説明する
  5. 契約を結ぶ
  6. 施工する
  7. 点検・顧客フォローを行う

つまり元請けビジネスは、塗装工事を提供するだけでなく、地域の住宅所有者から選ばれる事業を構築することです。

外壁塗装の元請けビジネスの流れ

2. 「施工ができる」と「元請け事業を経営できる」は別

施工経験が豊富でも、地域の住宅所有者に自社を知ってもらえなければ問い合わせは生まれません。また問い合わせを獲得できても、現地調査や見積説明、他社との比較の中で自社の価値を伝えられなければ受注につながりません。

ゲームチェンジが支援したG社は、大手リフォーム会社や工務店の下請け工事を中心に年商約8億円規模まで成長していましたが、元請け住宅塗装事業は0からのスタートでした。専門ブランドの立ち上げやチラシ・WEBサイトの制作を進めても、当初は十分な反響につながりませんでした。

課題は媒体の有無だけでなく、誰に、どんな価値を提供し、なぜ自社を選んでもらうのかという事業の設計にありました。

3. 外壁塗装事業と相性の良い会社の特徴

すべての会社に外壁塗装事業が適しているわけではありません。既存事業の経験や顧客接点を活かせるかを確認しましょう。

3-1.住宅関連の知識や施工体制がある会社

リフォーム、屋根、防水、板金、足場などを扱う会社は、住宅塗装と顧客層が重なる場合があります。既存の施工ノウハウや協力会社との関係を活かせる可能性があります。

3-2.下請け中心から元請けの受注経路をつくりたい会社

施工経験を持つ一方、直接顧客を集める仕組みがない会社にとって、元請け住宅塗装は新たな顧客獲得経路となり得ます。ただし、マーケティング・営業・顧客対応・ブランドづくりは別途整備する必要があります。

3-3.新たな事業の柱を検討している会社

既存事業との相乗効果を見込める場合でも、「塗装メニューを追加すれば受注できる」とは限りません。対象顧客、商圏、施工人員、既存事業への負担まで確認したうえで検討します。

外壁塗装事業と相性の良い既存事業

4. 新規参入で起こりやすい三つの失敗

4-1. ホームページやチラシを先につくってしまう

WEBサイトやチラシは、何を伝えるべきかが決まって初めて機能します。先に決めたいのは対象とする商圏や住宅所有者、地域の競合と比較したときの自社の特徴です。

G社では、事業モデルと専門店としての見せ方、WEB・チラシ、営業の進め方を一体で見直し、チラシ反響が約20,000枚に1件程度から約5,000枚に1件程度へ改善しました。WEB問い合わせも月5件程度から多い月には月10件程度となり、集客全体は昨対約200%まで成長しました。

この事例が示すのは、媒体を増やす前に「誰に・何を・なぜ自社へ相談してもらうか」を整える重要性です。

4-2. 既存事業に「塗装もできます」と加えるだけ

住宅所有者には塗装専門店、リフォーム会社、工務店など複数の選択肢があります。既存のサービス一覧に塗装を加えるだけでは、自社へ相談する理由が伝わりにくい場合があります。対象顧客に伝えたい専門性や強みを明確にし、それを店舗・WEB・広告・営業で一貫して表現することが大切です。

4-3. 集客だけ先行し、営業・施工体制が追いつかない

問い合わせが増えても、現地調査や見積説明を担当する人が足りなければ契約機会を逃します。受注後に施工班が不足すれば工期にも影響します。集客だけでなく、営業と施工の対応能力を合わせて考えてください。

外壁塗装事業の新規参入では取り組む順番が重要

5. 新規参入前に整理したい七つのポイント

具体策を決める前に、次の七つについて「自社にあるもの」と「不足しているもの」を整理します。

  1. 商圏:どの地域で住宅塗装事業を展開するのか。
  2. ターゲット:どのような住宅所有者から相談を受けたいのか。
  3. ポジショニング:地域でどのような専門店として認識されたいのか。
  4. 施工体制:自社職人や協力会社と安定的に工事を進められるか。
  5. 集客:WEB・チラシなどで見込み客との接点をつくれるか。
  6. 営業:問い合わせから調査、提案、契約までの流れを組めるか。
  7. 人材・組織:営業・施工・管理を担う人材を確保できるか。

すべてを最初から揃える必要はありません。例えば施工体制がある会社は顧客獲得と営業を、住宅顧客との接点が多い会社は施工責任者や協力会社の確保を、優先して検討することになります。

外壁塗装の新規参入前に確認したい七つの項目

事業モデルとあわせて、工事粗利益・集客費・運転資金の見通しも別途確認してください。

6. 0から元請け住宅塗装事業を立ち上げた二つの事例

6-1. 公共工事中心のF社|住宅塗装の専門店化へ

公共工事の土木を中心に展開していたF社は、元請けリフォームへ進出した後、住宅塗装の専門店化を進めました。専門店としての訴求、ショールーム、WEB集客、採用などを組み合わせ、住宅塗装事業単体で年商7億円規模へ成長しました。

新規参入の観点では、既存事業に塗装メニューを加えるのではなく、対象顧客との接点から施工までの機能を一つの事業として整えた点が参考になります。達成期間、店舗数、利益率、初期投資額は非公開です。

6-2. 下請け中心のG社|元請け住宅塗装を0から構築

大手リフォーム会社や工務店の下請け工事を中心に年商約8億円規模だったG社は、元請け住宅塗装事業を0から立ち上げました。当初のチラシ・WEB集客が思うように進まなかったことから、専門店としての見せ方、集客、営業、採用などを一体で見直しました。

その結果、チラシ反響は約20,000枚に1件程度から約5,000枚に1件程度へ、WEB問い合わせは月5件程度から多い月で月10件程度に改善。受注率は約20%から約60%へ、平均単価は約150万円から約200万円へ改善しています。

F社とG社は事業基盤が異なりますが、共通するのは元請けとして直接選ばれる仕組みを、集客だけでなく営業・施工・人材まで含めて考えたことです。

外壁塗装事業への新規参入に関するF社とG社の事例

7. 結論|事業モデルを決めてから、集客施策を選ぶ

外壁塗装の新規参入で大切なのは、ホームページやチラシ、職人の確保といった個別施策を先に決めることではありません。誰に、どの地域で、どのような価値を提供する住宅塗装事業をつくるかを決めることです。

事業モデルとあわせて、工事粗利益・集客費・運転資金の見通しも別途確認してください。

8. 外壁塗装ビジネスの新規参入でよくある質問

Q. 外壁塗装事業は未経験の会社でも参入できますか?

既存事業の内容や施工体制によりますが、参入を検討することは可能です。公共工事中心の建設会社や下請け中心の会社が、元請け住宅塗装事業を立ち上げた支援事例があります。

Q. 外壁塗装事業と住宅塗装事業は違いますか?

本記事では、戸建て住宅の外壁塗装を中心に屋根なども含めた塗装工事を元請けで受注する事業を「住宅塗装事業」と表現しています。

Q. 塗装職人がいれば元請け事業を始められますか?

施工体制だけでは十分ではありません。元請けの場合は商圏、ターゲット、集客、営業、顧客対応などを整える必要があります。

Q. 最初にホームページを作るべきですか?

先に商圏、ターゲット、専門店としての立ち位置を整理することをおすすめします。それをWEBサイトやチラシへ反映させることで、伝える内容に一貫性を持たせやすくなります。

Q. 下請け会社から元請け住宅塗装事業へ移行できますか?

可能性はあります。ただし、施工経験に加えて、見込み客を集め、提案し、契約する仕組みを新たに構築する必要があります。

Q. 参入前に何を確認すべきですか?

商圏、ターゲット、ポジショニング、施工体制、集客、営業、人材・組織の七つをまず整理してください。その後、別途採算や運転資金も確認して参入を判断します。

Q. 新規事業の立ち上げについて相談できますか?

ゲームチェンジでは、住宅塗装・リフォーム・建設関連企業に向けて、事業の立ち上げ、元請けモデル化、専門店化、集客、営業、採用、組織づくりなどの支援を行っています。お問い合わせはこちら。

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