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【外壁塗装】安売りせずに粗利率を上げる「3プライス戦法」と営業設計

価格を下げて受注する営業から、「売る商品・比率・ストーリー」を設計して利益を残す営業へ

【本コラムで分かること】

  • 塗装会社で粗利率が下がりやすい背景と、値下げ以外の改善ポイント
  • 粗利率改善の起点になる「何を売るか」という商品設計の考え方
  • 複数商品を使い分ける「3プライス戦法」の考え方
  • 商品ごとに粗利率と販売比率を設計する方法
  • 売りたい商品へ自然に導く営業ストーリーの作り方
  • 「初期価格」ではなく「長期のメンテナンスコスト」でコスパを伝える方法
  • 競合状況を踏まえて営業戦略を自社仕様に調整するポイント

安売りせずに選ばれる「営業戦略」を一緒につくりませんか?

3プライス戦法を機能させるには、価格表だけでなく、勝負塗料・商品力・提案方法・案件管理まで一貫して設計することが重要です。価格競争から抜け出し、成約率と粗利率の両方を守る営業の仕組みを確認できます。

粗利率を上げたいなら、最初に「何を・何%売るか」を決める

「最近、以前より粗利率が下がってきた」

「相見積もりになると、つい価格を下げてしまう」

「受注は取れているのに、思ったほど利益が残らない」

塗装・リフォーム会社では、集客数が落ちてくると受注率を優先するあまり、価格を下げて契約を取りにいく場面が増えやすくなります。

しかし、粗利率を改善するために必要なのは、単純な値上げではありません。

重要なのは、「何を売るのか」「商品ごとにどれだけ粗利を確保するのか」「どの商品を何%売るのか」「なぜその商品を選ぶべきなのか」を営業前に設計しておくことです。

動画では、この考え方を複数の商品・価格帯を使い分ける「3プライス戦法」として解説しています。

本コラムでは、外壁塗装会社・リフォーム会社が価格競争に巻き込まれず、粗利を確保しながら提案力を高めるための商品設計と営業ストーリーの作り方を、実践ステップに分けて解説します。

▼塗装会社の粗利率を上げる「3プライス戦法」の解説動画はこちら▼

商品ごとの粗利設計、販売比率、長期メンテナンスコストを使った提案方法まで解説しています

1. 塗装会社の粗利率が下がるとき、現場では何が起きているのか

粗利率が下がっている会社では、必ずしも原価だけが問題になっているわけではありません。

動画では、集客が減っていることで「多少粗利を下げても受注率を上げたい」と考える会社が増え、その結果として価格競争に巻き込まれているケースがあると説明されています。

問い合わせが少なくなるほど、1件の商談を失いたくないという心理が強くなります。

すると、営業現場では次のようなことが起こりやすくなります。

・見積もり提出後にすぐ値引きをする

・価格が安い商品に提案が偏る

・競合より高い理由を説明できない

・営業担当者ごとにおすすめ商品がバラバラになる

・受注率は維持できても、会社全体の粗利率が落ちる

だからこそ、粗利率改善では「もっと高く売れ」と営業担当者へ指示するだけでは不十分です。

経営側が先に、売る商品と価格、粗利率、販売比率、提案の流れまで設計しておく必要があります。

値下げ受注の悪循環イメージ図

値下げ受注の悪循環イメージ図

2. 粗利率改善のスタートは「何を売るか」を決めること

粗利率を上げるために、最初に決めるべきなのは価格ではありません。

まず「自社は、どの商品を主力として売りたいのか」を決めることです。

外壁塗装であれば、例えば次のように複数の商品カテゴリーがあります。

  • シリコン
  • ラジカル
  • フッ素
  • 無機
  • 多彩仕上げ

ここで重要なのは、商品をただ並べることではありません。

「価格が安い順に説明して、お客様に選んでもらう」だけでは、販売構成は営業担当者やお客様任せになります。

粗利率を経営指標として改善するのであれば、自社としてどの商品を中心に販売したいのか、その商品をなぜ勧めるのかまで決めておく必要があります。

例えば、ラジカルを主力にしたい会社であれば、ラジカルへ着地する比較軸や説明順序が必要です。無機を主力にしたい会社であれば、無機を選ぶ合理性が伝わる提案ストーリーが必要になります。

つまり、商品表を作るだけではなく、「商品設計」と「営業設計」をセットで考えることが重要です。

3. 「3プライス戦法」は、価格表ではなく販売設計である

3プライス戦法というと、「安い・普通・高い」の3つの見積もりを出す方法だと思われがちです。

しかし、今回の動画で重要なのは、単に3価格を見せることではありません。

複数の商品を用意しながら、「どの商品でどれだけ利益を残し、どの商品を中心に売るのか」をあらかじめ設計することがポイントです。

例えば、価格重視のお客様には入口商品を用意しつつ、会社としては中位・上位の商品へ自然に比較検討してもらう流れを作ります。

このとき、すべての商品で同じ粗利率を設定する必要はありません。

動画内では一例として、シリコン30%、フッ素35%、無機40%、多彩40%というように、商品カテゴリーによって粗利率を変える考え方を紹介しています。

重要なのは数字そのものをそのまま真似することではなく、商品ごとの役割に応じて粗利設計を変えるという発想です。

3プライス戦法

3プライス戦法

4. 商品ごとに粗利率を変えると、営業の役割が明確になる

低価格商品には低価格商品、高付加価値商品には高付加価値商品の役割があります。

例えば、価格重視のお客様まで無理に高額商品へ誘導すると、成約率を落とす可能性があります。

一方で、すべてのお客様へ低価格商品を勧めてしまえば、受注件数が取れていても会社全体の粗利額は伸びません。

そこで必要になるのが、商品ごとの役割を決めることです。

入口商品
価格への不安が強いお客様でも比較検討しやすくする商品。

主力商品
会社として最も販売比率を高めたい商品。価格・耐久性・粗利のバランスを取りやすい商品。

上位商品
長期耐久や意匠性など、明確な付加価値を求めるお客様へ提案する商品。

この役割が整理されていれば、営業担当者も「どれを売ればいいのか」が分かります。

さらに、商品ごとの粗利率が経営側で設計されていれば、現場任せの値引きも減らしやすくなります。

5. 全体の粗利率を上げるには「販売比率」まで決める

商品ごとの粗利率を決めても、それだけでは会社全体の粗利率は変わりません。

高粗利の商品を用意していても、実際にほとんど売れていなければ意味がないからです。

そこで必要になるのが、販売比率の設計です。

動画では、商品別の販売比率を事前に決める例として、50%・30%・20%という考え方を示しています。

ここで大切なのは、50・30・20という数字を固定ルールにすることではありません。

「主力商品を全体の何%売るのか」「次に伸ばしたい商品を何%売るのか」「価格重視のお客様向け商品を何%残すのか」を経営側で明確にすることです。

販売比率が決まると、営業会議でも「今月は受注件数が何件だったか」だけでなく、次のような確認ができるようになります。

  • 主力商品の販売比率は目標に届いているか
  • 低価格商品に偏っていないか
  • 上位商品の提案数は十分か
  • 営業担当者ごとに商品構成が偏っていないか
  • 商品構成の変化によって全体粗利率がどう動いたか

これにより、粗利率改善を「営業担当者の感覚」ではなく、数字で管理しやすくなります。

販売攻勢と粗利率

販売攻勢と粗利率

6. 売りたい商品が決まったら「売るためのストーリー」を作る

主力商品を決めても、「この商品がおすすめです」と言うだけでは販売比率は上がりません。

お客様がその商品を選ぶ理由を理解できるように、比較の順番と判断基準を設計する必要があります。

動画では、ラジカルを売りたいならラジカルを売るためのストーリー、無機を売りたいなら無機を売るためのストーリーが必要だと説明されています。

営業ストーリーを作る際は、次の順番で考えると整理しやすくなります。

① お客様が重視していることを確認する
初期費用、耐久性、見た目、将来のメンテナンス回数など、何を優先したいのかを把握します。

② 比較基準を示す
単純な見積金額だけでなく、耐久年数、将来の塗り替え回数、付加価値など比較軸を増やします。

③ 各商品の違いを整理する
「安い・高い」ではなく、何が違うから価格差が生まれるのかを説明します。

④ お客様の希望に合う商品へ着地する
最初から押し売りするのではなく、比較した結果として主力商品が合理的な選択になる流れを作ります。

このストーリーが統一されていれば、営業担当者による提案品質のばらつきも抑えやすくなります。

7. 「コスパが良い」は、工事価格ではなく長期コストで伝える

営業現場で特に難しいのが、「コスパ重視」のお客様への提案です。

初期費用だけを見れば、安い商品が最もコスパよく見えることがあります。

しかし、塗装は一度の工事費だけでなく、将来何回メンテナンスが必要になるかによって、長期的な支出が変わります。

そこで動画では、「工事価格」ではなく「メンテナンスコスト」で比較するという営業ストーリーを紹介しています。

  • シリコン:約10年
  • フッ素:約20年
  • 無機:約30年

※上記は動画内で営業ストーリーを説明するために示された概算例です。実際の耐用年数は塗料の商品仕様、下地、施工条件、立地環境などによって異なるため、各メーカーの仕様・自社の施工基準に基づいて説明してください。

重要なのは、「この塗料は高いです」で終わらせないことです。

例えば30年間の住まいの維持を考えるなら、低耐久の商品を複数回施工する場合と、高耐久の商品を少ない回数で施工する場合の総額を比較するという見せ方ができます。

そうすることで、お客様の判断軸を「今回いくら払うか」から「長期でいくらかかるか」へ変えられます。

外壁塗装の長期コスト比較

外壁塗装の長期コスト比較

8. 高単価商品を売るときほど「価格差の理由」を明確にする

上位商品を売りたいからといって、単純に「長持ちするのでおすすめです」と説明するだけでは弱い場合があります。

お客様から見れば、目の前にあるのは数十万円の価格差だからです。

そこで営業では、価格差を次のような要素に分解して伝える必要があります。

  • 期待できる耐久性の違い
  • 将来の塗り替え回数の違い
  • 塗料・仕様そのものの違い
  • 意匠性や仕上がりの違い
  • 保証やアフターフォローの違い
  • お客様が何年その家に住む予定なのか

つまり、上位商品を売る営業とは、高い商品を押し込むことではありません。

お客様が長期的な価値まで理解したうえで、自分に合った商品を選べる状態を作ることです。

9. 同じ「無機塗料」でも、競合と同じ提案になるとは限らない

営業戦略を設計するときは、競合状況も無視できません。

無機塗料の販売比率を上げる、ラジカルの販売比率を上げるといった施策は、すでに多くの会社が行っている可能性があります。

さらに、同じ「無機」というカテゴリーでも、商品によって耐久性や仕様が異なるため、競合と同じ商品名を使っているからといって、同じ提案になるわけではありません。

そのため、自社の3プライス戦法を作るときは、次の点を確認する必要があります。

  • 競合がどの商品を主力にしているか
  • 競合がどの価格帯で提案しているか
  • 競合が何を「コスパ」として説明しているか
  • 競合が耐久性をどのように比較しているか
  • 自社の商品・仕様で本当に差別化できる部分はどこか

粗利率改善は、単純な商品入れ替えではなく、自社の商品力・競合・顧客層を踏まえたオーダーメイドの営業設計が必要です。

10. 3プライス戦法を営業現場へ落とし込む5ステップ

ここまでの内容を、実際の営業改善へ落とし込む手順に整理します。

STEP1 商品ラインナップを整理する
シリコン、ラジカル、フッ素、無機、多彩など、自社で提案する商品を整理します。

STEP2 主力商品を決める
「一番売りたい商品」を明確にし、その理由を経営・営業で共有します。

STEP3 商品別の粗利率と販売比率を設計する
入口・主力・上位商品の役割を決め、会社全体でどの販売構成を目指すか数値化します。

STEP4 売るための営業ストーリーを作る
価格、耐久性、メンテナンス回数、総コストなど、比較の順番を営業トークへ落とし込みます。

STEP5 毎月、販売比率と粗利率を振り返る
営業担当者ごとの販売構成を確認し、低価格商品への偏りや上位商品の提案不足を改善します。

この5ステップで重要なのは、営業担当者へ「もっと高い商品を売ろう」とだけ伝えないことです。

売れる仕組みを先に作り、その仕組みに沿って営業できる状態にすることが、粗利率改善を継続させるポイントです。

粗利率を高める営業ロードマップ

粗利率を高める営業ロードマップ

11. 粗利率改善で追うべき営業KPI

3プライス戦法を導入した後は、売上や成約率だけを見ていても改善状況を判断しきれません。

粗利率を上げるためには、少なくとも次の数字を継続的に確認することをおすすめします。

・商品別の提案件数

・商品別の成約件数

・商品別の販売比率

・商品別の粗利率

・営業担当者別の販売比率

・会社全体の平均粗利率

・値引き発生件数と値引き額

例えば、成約率が高くても低価格商品ばかり売れていれば、利益改善にはつながりません。

逆に、上位商品の販売比率だけを追いすぎて成約率が大きく落ちれば、それも最適とは言えません。

成約率・販売比率・粗利率の3つを同時に見ることで、自社に合った商品構成を調整しやすくなります。

3プライス戦法を「売れる仕組み」まで落とし込みませんか?

商品別の粗利率や販売比率を決めても、営業現場で再現できなければ数字は変わりません。勝負塗料・アプローチブック・0次接客・案件管理まで含め、価格競争に巻き込まれない営業設計を確認してみてください。

12. 粗利率を上げた先は「会社にいくら残るか」まで見る

3プライス戦法で商品構成や販売比率を整えることは、粗利率を改善するうえで重要です。

ただし、経営という視点では、「見積もり上の粗利率が上がった」で終わりではありません。

実際に会社へ利益を残すためには、営業でつくった粗利が、完工後にも計画どおり残っているかを確認する必要があります。

例えば、次の数字はすべてつながっています。

成約率・平均単価・商品構成

↓

粗利率・粗利額

↓

販促費・人件費・固定費

↓

営業利益

↓

会社に残るキャッシュ

たとえば、営業段階では40%の粗利を見込んでいても、材料費・人工・外注費の増加や追加工事の請求漏れがあれば、実際の粗利は下がります。また、粗利額が増えても、販促費や固定費が膨らめば営業利益は残りません。

つまり、3プライス戦法は「利益を残す経営」の入口です。

営業では「どの商品を、どの比率で、どう売るか」を管理し、その先では案件別粗利・予実・営業利益・キャッシュまで確認する。この2つがつながることで、売上だけを追う経営から、利益が残る経営へ変えていきやすくなります。

13. まとめ|粗利率は「値上げ」ではなく営業設計で改善する

この記事のポイント

  • 粗利率が下がる背景には、受注率を優先した値下げ営業がある
  • 粗利率改善では、まず「何を売るか」を決める
  • 商品ごとに粗利率と役割を変える
  • 会社全体の粗利率を上げるには販売比率まで設計する
  • 売りたい商品には、その商品を選ぶ理由が伝わる営業ストーリーが必要
  • コスパは初期価格だけでなく、長期のメンテナンスコストで伝える
  • 競合の商品・価格・提案内容も踏まえて自社仕様に調整する
  • 成約率・販売比率・粗利率をセットで管理する
  • 粗利率を改善した先は、営業利益・キャッシュまでつなげて確認する

粗利率を上げようとすると、「単価を上げる」「値引きを禁止する」といった施策に目が向きがちです。

しかし、それだけでは営業担当者もお客様も納得できません。

必要なのは、商品ラインナップ、商品別粗利率、販売比率、比較基準、営業ストーリーを一つの設計図として作ることです。

価格重視のお客様には選びやすい商品を残しながら、主力商品・上位商品を選ぶ価値も分かりやすく伝える。

その結果として会社全体の販売構成が変われば、無理な値上げや押し売りに頼らず、粗利率を改善できる可能性があります。

自社の商品構成や競合状況によって最適な設計は変わります。

「受注は取れているのに利益が残らない」「営業担当者によって売る商品がバラバラ」「価格競争から抜け出したい」という場合は、まず商品設計と営業プロセスを見直し、そのうえで粗利が最終的に営業利益・キャッシュとして会社に残っているかまで確認してみてください。

粗利を「つくる」だけでなく、会社に「残す」経営へ

3プライス戦法で粗利率を改善したら、次に見るべきは案件別粗利・予実・営業利益・キャッシュです。売上や見積粗利だけで終わらず、会社に利益を残すための財務戦略まで数字で整理してみませんか?

粗利管理・予実管理・財務戦略・利益改善について、経営数字から見直したい方におすすめです。

14. 塗装会社の粗利率改善・3プライス戦法に関するよくある質問

Q. 塗装会社の粗利率を上げるには、まず何から始めればいいですか?
A. まず「自社が何を主力商品として売るのか」を決めることです。そのうえで、商品ごとの粗利率、販売比率、提案ストーリーを設計します。単純に値上げするよりも、商品構成と営業の流れをセットで見直すことが重要です。

Q. 3プライス戦法とは、3種類の見積もりを出すだけですか?
A. 3種類を並べるだけではありません。入口商品・主力商品・上位商品など役割を分け、どの商品を何%売るのか、各商品でどれだけ粗利を確保するのかまで設計する考え方です。

Q. 高い商品を勧めると成約率が下がりませんか?
A. 高単価商品を一方的に勧めれば成約率が下がる可能性があります。そのため、お客様の希望を確認し、価格だけでなく耐久性や将来のメンテナンス回数など比較基準を示したうえで、お客様自身が選べる状態を作ることが重要です。

Q. コスパ重視のお客様には、安い塗料を勧めるべきですか?
A. 初期費用だけで判断するのではなく、将来の塗り替え回数を含めた長期のメンテナンスコストも比較材料として伝えます。今回の工事価格だけでなく、長期で見た総支出から判断してもらうことがポイントです。

Q. 動画内の「シリコン10年・フッ素20年・無機30年」は、そのまま営業で使えますか?
A. 動画内では営業ストーリーを説明するための概算例として紹介されています。実際の耐用年数は商品仕様、下地、施工条件、立地環境などで変わるため、自社で採用している塗料メーカーの仕様や施工基準に合わせて説明してください。

Q. 販売比率の50%・30%・20%は固定ですか?
A. 固定ではありません。動画では販売比率を事前に設計する考え方の例として示されています。自社の顧客層、商品構成、価格帯、競合状況、目標粗利率に合わせて調整する必要があります。

Q. 営業担当者によって売る商品が違う場合はどうすればいいですか?
A. 主力商品、商品ごとの役割、比較基準、営業ストーリーを共通化し、商品別の提案件数・成約件数・販売比率を営業担当者ごとに確認します。感覚ではなく数字で差を把握すると改善しやすくなります。

Q. 粗利率を上げれば、会社に利益は残りますか?
A. 粗利率の改善は重要ですが、それだけで会社に利益や現金が残るとは限りません。案件別の実粗利、材料費・人工・外注費、販促費、固定費、営業利益、入金までつなげて確認することが重要です。営業で粗利をつくる仕組みと、財務で利益を残す管理体制の両方を整える必要があります。

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外壁塗装の新規事業はこう立ち上げる!0から元請けビジネスをつくる8ステップ

建設・リフォーム・専門工事会社の経営者向け|外壁塗装の新規事業・住宅塗装の元請け化

外壁塗装の新規事業、何から始める?元請け化への8ステップ

施工力はある。次は、自社で仕事を取る力を。住宅塗装の元請け化に向けて、集客を始める前に整えたい土台と、立ち上げの8ステップを解説します。

外壁塗装を新規事業として始める建設会社や、住宅塗装の元請け化を目指す専門工事会社が直面するのは、「施工はできるが、自社でお客様を集め、契約につなげる方法が分からない」という壁です。

ホームページをつくる。チラシを配る。Web広告を出す。どれも必要な施策ですが、それだけでは利益が残る事業には育ちません。

この記事では、初期費用と資金計画から、職人確保、集客、営業、組織づくりまで、外壁塗装・住宅塗装事業を立ち上げる手順を解説します。

本記事で分かること

  • 外壁塗装の新規事業・住宅塗装の元請け化を進める8つのステップ
  • 商圏・必要受注数・初期費用・運転資金の考え方
  • 広告費をかけても利益が残る採算の確認方法
  • 商品・見積もり・施工体制・職人確保の整え方
  • 問い合わせを契約につなげる営業と数値管理のポイント

外壁塗装の新規事業は、何から始めるべきか

最初に確認するのは、次の3点です。

  1. 誰に売るか:対象商圏に、どのような住宅と顧客がいるか
  2. 利益が残るか:工事原価に加え、集客費・人件費を負担できるか
  3. 約束を守れるか:診断・施工・保証対応を担う体制があるか

この土台を確認したうえで、次の8ステップを進めます。

外壁塗装の新規事業・元請け化を進める8つのステップ
ステップ 決めること
1.商圏と事業計画 対象地域、必要受注数、投資額、運転資金
2.専門店としての立ち位置 ターゲット、自社の強み、ブランドの見せ方
3.商品・価格・施工体制 工事範囲、原価、見積基準、協力会社
4.集客基盤 ホームページ、Web広告、チラシ、地域での認知
5.営業フロー 初回対応、現地調査、診断、提案、追客
6.施工・アフター対応 品質管理、顧客報告、検査、保証、点検
7.採用・組織づくり 担当者、採用計画、教育、役割分担
8.数値管理と改善 問い合わせ、受注、粗利益、完工、資金繰り

これは、各工程を終えてから次へ進むという意味ではありません。施工責任者や協力会社の確保、数値管理の準備は、事業計画と並行して始めます。

外壁塗装事業立ち上げの8ステップ

元請け化で変わるのは、受注先だけではない

住宅塗装の元請け化とは、住宅所有者から直接相談を受け、自社が契約の窓口となって工事を提供することです。

自社の施工品質や提案に合わせて価格を設計でき、施工後の関係も自社に蓄積されます。一方で、下請け時代には元請け会社が担っていた仕事を、自社で引き受けることになります。

住宅塗装の元請け化で必要になる対応
項目 元請け化で必要になる対応
集客 自社で問い合わせを獲得し、費用対効果を管理する
営業 要望を聞き、診断・見積もり・契約説明を行う
施工管理 工程、品質、近隣対応、追加工事を管理する
顧客対応 工事中の報告、相談、苦情への窓口を担う
資金管理 入金と工事支払いの時期を管理する
アフター 保証内容を説明し、点検や不具合対応を行う

売上総利益が増えても、広告費や人件費、保証対応の負担が増えれば、営業利益は残りません。

だからこそ、元請け化は「直接受注を増やす施策」と「増えた責任を担う体制」をセットで考える必要があります。

ステップ1|商圏と事業計画を決める

人口だけで商圏を決めない

外壁塗装の需要を考えるとき、地域の人口だけでは判断できません。

確認したいのは、戸建て住宅の分布、築年数、持ち家の状況、競合の強さ、そして自社が現地調査や施工管理に通える範囲です。

  • 塗り替えを検討する住宅がどの地域にあるか
  • 既存顧客や施工現場を起点に営業できるか
  • 競合は価格・保証・実績の何を強みにしているか
  • 移動時間が営業や現場管理を圧迫しないか

広い地域へ広告を出せば、効率よく受注できるとは限りません。立ち上げ期は、顧客対応と現場管理を無理なく回せる地域で、反応を確かめることから始めます。

売上目標から、必要な問い合わせ数を逆算する

ここでは、計画の考え方を示すために、次の仮定を置きます。

年間売上1億円を目指す場合の計画例
項目 計画例
年間売上目標 1億円
平均受注単価 160万円
必要受注数 年間約63件
現地調査からの受注率 50%
必要現地調査数 年間約126件
問い合わせからの現地調査移行率 80%
必要問い合わせ数 年間約158件

この条件では、月平均13〜14件の問い合わせが必要です。

ただし、受注した月と完工・売上計上の月は一致しません。年間売上を計画する際は、工期と完工時期まで落とし込んでください。

※上記は試算用の仮定であり、業界平均や成果を保証する数値ではありません。

初期費用と運転資金を分けて考える

外壁塗装事業の初期費用は、既存の人員・車両・事務所を使えるか、新たに店舗を設けるかによって変わります。一律の金額よりも、必要な支出を分けて見積もる方が実務的です。

外壁塗装事業の立ち上げで確認する費用
費用の区分 主な項目
立ち上げ時の投資 ブランド、Webサイト、看板、営業資料、診断機器、店舗整備
毎月の固定費 人件費、賃料、車両費、システム費
集客費 広告、チラシ制作・配布、イベント
工事に伴う支払い 材料、足場、外注施工、廃材処理
予備資金 入金遅延、天候による工程変更、手直しへの備え

特に注意したいのは、売上が増えたときです。工事件数が増えると、顧客からの入金より先に必要な支払いも増える場合があります。

開業できる資金があることと、受注増に対応できる資金があることは、別々に確認してください。

広告費の上限は、工事の採算から決める

問い合わせ獲得単価をCPAと呼びます。ただし、CPAだけでは利益が残るか判断できません。

例えば、次の条件を仮定します。

  • 平均受注単価:160万円
  • 工事粗利率:35%
  • 問い合わせからの現地調査移行率:80%
  • 現地調査からの受注率:50%
  • 問い合わせCPA:3万円

この条件では、問い合わせからの受注率は40%です。1件の受注に必要な問い合わせは平均2.5件なので、広告経由の受注獲得単価は7.5万円になります。

受注獲得単価の計算

3万円 ÷(80% × 50%)= 7.5万円

工事粗利益56万円から、この広告費に加え、営業人件費や固定費などを負担します。35%は工事原価を差し引いた粗利率であり、最終利益率ではありません。

「CPAが安いか」ではなく、「受注と完工まで追って利益が残るか」で販促予算を決めます。

ステップ2|専門店として選ばれる理由を決める

「外壁塗装もできます」だけでは、競合との違いが伝わりにくくなります。

大切なのは、お客様が気にしていることに対して、自社が何を提供できるかを明確にすることです。

顧客の不安と、専門店として伝えるべき根拠
顧客の不安 伝えるべき根拠
適正な価格か分からない 工事範囲と数量が分かる見積もり
手抜き工事が心配 工程写真、検査項目、施工管理の方法
初めてで判断できない 診断報告書、プランごとの違いの説明
工事後が不安 保証対象、免責条件、相談窓口、点検内容

一般顧客向けの専門ブランドは、事業内容を伝える手段になります。ただし、新しい屋号が必須とは限りません。既存会社の知名度や顧客基盤を活かせる場合もあります。

ブランドを分ける場合は、運営会社と責任主体を明示し、既存事業の実績を住宅塗装の実績と誤認させないようにしましょう。

専門店としての信頼は、名前よりも、説明と対応の具体性でつくられます。

住宅塗装の専門性と顧客の不安への回答を明確にし、選ばれる理由をつくる考え方
専門店として選ばれる理由を明確にする

ステップ3|商品・価格・施工体制をつくる

分かりやすいプランと、正確な見積もりを両立する

塗料のグレード別プランは、顧客が選択肢を理解する助けになります。

ただし、坪数だけで価格を確定すると、外壁面積、劣化状況、付帯部、シーリングなどの違いを反映できません。

広告では標準条件を示し、現地調査後の見積もりでは、次を明確にします。

  • 施工範囲と数量
  • 使用材料と施工仕様
  • 下地補修・シーリングの範囲
  • 足場、養生、付帯部工事の内容
  • 含まれない工事と追加費用の条件

屋根塗装や修繕も、診断結果に基づいて提案します。単価を上げるために工事を増やすのではなく、今必要な工事と、先送りできる工事を説明できることが重要です。

粗利率の数字より、原価の定義をそろえる

材料費と職人への支払いだけを原価にすると、実際より利益が多く見えることがあります。

足場、現場作業の労務費、運搬、廃材処理、追加対応などを、社内で統一したルールに沿って集計してください。

目標粗利率は、固定費と必要利益から決めます。見積もり時の予定粗利と完工時の実績粗利を比較すれば、値決めの問題か、工事中の原価増加かを把握できます。

集客を増やす前に、施工の受け皿を確保する

自社職人を雇用する方法も、協力会社と組む方法もあります。どちらを選ぶ場合でも、確認する項目は共通です。

  • 施工品質を確認できるか
  • 月間の対応棟数と繁忙期の空きが分かるか
  • 工程写真と報告のルールを守れるか
  • 追加工事や手直しの責任を整理できるか
  • 適正な単価と支払条件で継続できるか

協力会社へ施工を依頼しても、顧客への説明や品質確認を担う責任者は必要です。

契約書、保証条件、保険、工事内容に応じた許認可なども、受注開始前の確認項目に入れましょう。

ステップ4|Webと地域での接点をつなぐ

集客手段は、商圏、予算、既存顧客、施工体制に合わせて選びます。

住宅塗装事業における主な集客手段と役割
手段 主な役割
ホームページ 実績・費用・保証・会社情報を確認する場
Web広告 検討中の顧客へ接点をつくる
SEO 地域や工事の疑問に答え、検索から接点を増やす
Googleビジネスプロフィール 地図検索で会社情報や口コミを確認できるようにする
チラシ・看板 地域で認知と検討のきっかけをつくる
既存顧客・紹介 これまでの信頼を新事業につなげる

ホームページには、相談前の判断材料を載せる

顧客が確認したいのは、デザインだけではありません。

施工事例には、写真に加え、相談内容、診断結果、工事範囲、使用材料、費用の条件を掲載します。保証についても、年数だけでなく、対象と対応内容まで説明してください。

住宅塗装の施工実績が少ない段階では、実際に保有する資格、施工管理の方法、既存事業の経験など、確認できる情報で信頼を積み上げます。

チラシとWebは、問い合わせ経路を含めて評価する

G社の集客改善事例では、チラシの反響が約20,000枚に1件から約5,000枚に1件へ改善した取り組みを紹介しています。

参考にしたいのは反響率だけでなく、専門店としての訴求、顧客の不安への回答、紙面と配布設計を見直した点です。

チラシを見た顧客が会社名を検索し、Webから問い合わせることもあります。フォームや電話受付では、最初に知ったきっかけも確認しましょう。

最後に問い合わせた媒体だけで集計すると、集客施策の役割を見誤る場合があります。

チラシで知った顧客がWebで会社情報を確認し、相談につながる集客導線
チラシとWebをつなぎ、顧客が相談しやすい接点をつくる

関連事例|下請け中心の会社が、元請け住宅塗装事業の集客を改善

専門店としての見せ方とチラシ・Web集客を見直したG社の取り組みを紹介しています。

G社の住宅塗装事業立ち上げ・集客改善事例を読む

ステップ5|問い合わせから契約までの営業フローをつくる

元請け化すると、施工技術に加え、顧客が納得して判断できる説明が必要になります。

1.初回対応で、相談内容と次の行動を整理する

問い合わせへの返信担当を決め、建物の状況、相談内容、希望時期を確認します。

現地調査の日程だけでなく、当日の内容や所要時間も伝えると、顧客は準備しやすくなります。

2.現地調査で、工事が必要な理由を確認する

外壁や屋根の状態、補修箇所、過去の工事履歴を記録します。

機器を使うこと自体を売りにするのではなく、写真や診断結果を、顧客に分かる言葉で説明できるようにします。

3.診断と見積もりをつなげる

「劣化しているので塗りましょう」では、価格以外の比較材料が不足します。

どの症状に、どの工事が必要なのか。補修範囲や塗料を変えると、何が変わるのか。診断書と見積書を対応させて説明してください。

4.失注理由まで記録する

契約後の成果だけでなく、見送りの理由も残します。

価格、提案内容、時期、保証、対応などを振り返ることで、営業の問題と集客の問題を分けて改善できます。

目指すのは、相見積もりをなくすことよりも、比較されたときに選ばれる理由を伝えることです。

住宅塗装の問い合わせ対応から現地調査、診断報告、見積提案、契約までの営業フロー
問い合わせから契約までの営業フローを標準化する

ステップ6|施工・顧客対応・アフターを仕組みにする

受注後の対応は、次の口コミや紹介につながる重要な接点です。

最低限、次の流れを標準化します。

  1. 契約内容と施工担当者への引き継ぎ
  2. 工事前の近隣挨拶と注意事項の確認
  3. 工程・使用材料・施工写真の記録
  4. 工事中の進捗と変更事項の報告
  5. 完了検査と顧客への説明
  6. 保証書・施工記録の引き渡し
  7. 点検と不具合相談の受付

特に、追加工事は内容・費用を説明し、合意を得てから進めるルールが必要です。

保証も長さだけで判断せず、対象、免責条件、点検方法、対応窓口を明確にします。長期の約束をする場合は、その対応を継続できる人員と費用まで考えてください。

ステップ7|採用と役割分担を先回りして整える

立ち上げ期に経営者が営業を担うことはあります。ただし、経営者しか提案できない状態が続くと、受注増がそのまま負担増になります。

まずは、必要な役割を決めましょう。

住宅塗装事業で整理しておきたい役割と責任
役割 主な責任
事業責任者 収支、施策の優先順位、投資判断
営業担当 初回対応、現地調査、提案、追客
施工管理担当 職人手配、工程、品質、顧客報告
事務担当 顧客情報、契約・請求、点検案内

最初から全員を専任で配置する必要はありません。兼務する場合も、誰が責任を持つかは明確にします。

未経験者の育成には、営業資料だけでなく、同行、建物・材料の知識、見積もり確認、契約説明の練習が必要です。単独で任せる条件を決め、段階的に育ててください。

また、下請け事業と並行して進める会社は、職人の稼働と既存取引先との関係にも注意が必要です。

既存事業を支えながら、元請け比率を段階的に高める計画をつくります。

ステップ8|問い合わせから完工・入金まで数字で追う

問い合わせが増えても、事業が順調とは限りません。契約になったか、施工できたか、利益と資金が残ったかまで確認します。

外壁塗装の新規事業で管理する主な経営数値
管理項目 確認すること
有効問い合わせ数 営業対象になる相談が何件あるか
問い合わせCPA 集客費 ÷ 有効問い合わせ数
現地調査移行率 有効問い合わせのうち現地調査へ進んだ割合
受注率 現地調査など、定義した対象のうち契約した割合
受注獲得単価 集客費 ÷ 受注件数
平均受注単価 工事範囲別の契約金額
予定・実績粗利益 見積もりと完工で利益がどう変わったか
着工・完工件数 施工能力と工程が計画に合っているか
営業利益・資金繰り 固定費を負担でき、支払いに対応できるか

広告の成果は、契約までに時間がかかることがあります。当月の広告費と当月の契約だけを単純に比較せず、問い合わせ時期ごとにも追跡してください。

問い合わせが少なければ集客、現地調査へ進まなければ初回対応、受注できなければ提案、完工粗利が低ければ原価と施工管理を見直す。このように、改善する場所を絞れます。

問い合わせ数、現地調査移行率、受注率、平均単価、粗利益を管理する住宅塗装事業のKPI構造
問い合わせから受注・利益まで、工程ごとに数字を確認する

公共工事中心の会社が、元請け事業を育てたF社の事例

ゲームチェンジの公開事例では、公共土木工事を中心としていたF社が、元請けリフォーム事業へ進出した後、塗装事業の成長に取り組んだ過程を紹介しています。

取り組みの柱は、専門店としての見せ方、ショールーム、Web集客、採用強化でした。

F社の公開事例に記載された成果
指標 公開事例に記載された変化
受注率 20% → 60%
平均単価 150万円 → 200万円
元請け事業の規模 年商7億円規模へ成長

これは、リフォームを含む元請け事業の事例です。塗装単独の売上や、立ち上げ初年度の成果を示す数字ではありません。

この事例から参考にしたいのは、集客を増やすだけでなく、顧客が相談する場所と、受注・施工を担う組織まで整えたことです。

公共工事会社が元請け事業を育てたF社の事例を読む

外壁塗装の新規事業・元請け化でよくある質問

Q.住宅塗装の営業経験がなくても参入できますか?

参入は可能ですが、建物の診断、見積もり、契約説明、施工管理を担える体制が必要です。経験者の配置や協力先の確保と並行して、同行・教育の仕組みを整えます。

Q.初期費用は、いくら用意すべきですか?

既存の人員・設備を使うか、店舗や採用を新たに行うかで変わります。立ち上げ投資、毎月の固定費、工事支払いを分けて見積もり、問い合わせが計画を下回る場合も含めて資金繰りを確認してください。

Q.最初からショールームは必要ですか?

必須ではありません。既存事務所や訪問提案を活用する方法もあります。来店相談の需要、立地、固定費、運営人員を確認し、必要な段階で出店を判断します。

Q.自社職人がいなくても元請け化できますか?

協力会社を活用する方法があります。ただし、自社で施工品質、工程、顧客対応を管理できることが条件です。施工を外注しても、元請けとしての窓口と管理責任は必要です。

Q.Web広告とチラシは、どちらを先に始めますか?

商圏、予算、既存顧客、対応できる棟数によって判断します。最初から両方に大きく投資するよりも、顧客が確認できるWebサイトを整え、選んだ施策で反応と受注採算を確かめながら拡大します。

Q.下請けの仕事を続けながら進めてもよいですか?

既存事業を維持しながら段階的に進める方法があります。職人の稼働、担当者、取引先との関係、資金繰りを整理し、元請け受注をどの程度増やせるか決めてください。

Q.自社の商圏や体制に合わせて相談できますか?

ゲームチェンジでは、新規事業立ち上げや元請け化の相談を受け付けています。対象地域、既存事業、人員、予算、現在の課題をお伝えいただくと、相談の論点を整理しやすくなります。

新規事業・元請け化について無料相談する

まず決めたいのは、「月何件を、どの体制で受けるか」

外壁塗装の新規事業を始めるとき、最初から大きな店舗や大量の広告が必要とは限りません。

まずは、対象商圏と必要受注数を決め、その件数を営業・施工・資金の面で支えられるか確認します。そのうえで、商品、集客、営業、アフター対応をつなげていきます。

施工力を持つ会社には、活かせる土台があります。これから必要なのは、その技術を一般のお客様に伝え、安心して依頼してもらい、利益を残して工事を届ける仕組みです。

自社の強みと、まだ足りない機能が分かれば、最初に着手することも見えてきます。

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「外壁塗装を新規事業にしたい」経営者へ。参入前に知っておきたい7つのポイント

建設・リフォーム・専門工事会社の経営者向け|外壁塗装の新規事業・元請け化

「下請け中心の経営を変えたい」「既存事業に続く収益の柱をつくりたい」。その選択肢となるのが、外壁塗装・住宅塗装の元請け事業です。

【本記事で分かること】

  • 外壁塗装の新規事業で、施工体制だけでは受注が増えない理由
  • 下請けから住宅塗装の元請け化を進めるために必要な仕組み
  • 参入前に整理しておきたい商圏・集客・営業・人材のポイント
  • 未経験・下請け中心の会社が元請け事業を育てた実践事例

未経験の会社や下請け中心の会社でも、元請け住宅塗装事業を立ち上げることは可能です。既存の施工経験や協力会社とのつながり、顧客基盤を活かせるケースもあります。

ただし、工事ができるだけでは、お客様から直接選ばれる事業にはなりません。自社で集客し、提案し、契約につなげる仕組みが必要です。

本記事では、実際の成功事例を交えながら、外壁塗装の新規事業・元請け化でつまずきやすい点と、立ち上げ前に押さえるべきポイントを解説します。

【要約】外壁塗装の新規事業・元請け化で重要なこと

外壁塗装の新規事業では、「工事を提供する施工体制」と「お客様から直接受注する元請けモデル」の両方を整えることが重要です。

商圏とターゲットを決め、専門店として選ばれる理由を明確にしたうえで、集客・営業・施工・アフターフォロー・人材計画をつなげます。必要な投資や優先順位は、既存の顧客基盤、施工体制、商圏、目標によって変わります。

1. 外壁塗装の新規事業とは?下請けと元請けの違い

本記事では、戸建て住宅の外壁や屋根の塗装・修繕を、一般のお客様から直接受注する事業を「元請け住宅塗装事業」と呼びます。

下請けモデルでは、ハウスメーカーや工務店などから工事の依頼を受け、指定された仕様や条件に沿って施工します。これに対し、元請けモデルでは、自社でお客様との接点をつくり、提案・契約・施工・アフターフォローまでを担います。

下請けと元請けで変わる役割

  • 下請け:発注元から依頼された工事を、品質・納期・安全を守って提供する
  • 元請け:自社でお客様を集め、工事内容と価格を提案し、契約後の施工・顧客対応まで責任を持つ

元請け化によって、自社の提案価値を価格に反映する余地は広がります。ただし、集客費用や営業人員、顧客対応など、自社で負担する業務と費用も増えます。「直接受注すれば利益が増える」と考えるだけでは、事業は安定しません。

元請けとして継続的に受注するには、次の流れを整える必要があります。

  1. エリア認知:地域の住宅所有者に自社の存在と特徴を知ってもらう
  2. 問い合わせ獲得:チラシ・Webサイト・Web広告・紹介などから相談を集める
  3. 現地調査:住宅の状態を確認し、必要な工事を見極める
  4. 提案・見積り:工事の必要性、仕様、価格の根拠を分かりやすく伝える
  5. 契約:競合他社と比較される中で、自社を選んでもらう
  6. 施工・管理:約束した品質と工程で工事を提供する
  7. アフターフォロー:工事後の相談や点検に対応し、紹介・再依頼につなげる

元請け住宅塗装事業は、施工だけを切り出して考えるのではなく、お客様に知ってもらう段階から、工事後までを一つのサービスとして設計する事業です。

外壁塗装の元請け事業に必要な認知・集客・営業・施工・アフターフォローの流れ

外壁塗装の元請けビジネスイメージ図

2. 施工力があっても、住宅塗装の元請け受注が増えない理由

参入時につまずきやすいのが、「良い工事ができれば、お客様から選ばれるはずだ」という考え方です。

施工品質は欠かせません。しかし、工事を依頼する前のお客様には、各社の技術の違いが見えにくいものです。まずは自社を知ってもらい、施工実績や診断・提案の内容を通じて、「この会社なら任せられる」と感じてもらう必要があります。

下請け工事で評価されてきた会社でも、一般のお客様に向けた情報発信や商談の進め方は、新たに整えなければなりません。

実際に弊社が支援したG社は、下請け工事を中心に年商約8億円まで成長した企業でした。一方、元請け住宅塗装事業については、ノウハウのない状態からのスタートでした。

独自に塗装専門店ブランドを立ち上げ、チラシ配布やWebサイト制作にも取り組んでいましたが、十分な反響を得られず、安定した受注につながっていませんでした。

必要だったのは、広告を増やすことだけではありません。一般のお客様に選ばれる専門店としての見せ方と、問い合わせを契約につなげる仕組みを整えることでした。

【事例】下請け年商8億円の会社が、元請け住宅塗装へ挑戦

G社では、専門店としての差別化、集客、営業プロセスを一体で見直しました。何を変え、どのように成果につながったのかを、以下の事例で紹介しています。

G社の元請け住宅塗装事業の立ち上げ事例を見る

3. 外壁塗装の新規事業・元請け化と相性が良い会社

外壁塗装事業では、既存事業で培った強みをどのように活用するかが重要です。特に、次のような会社は、自社にある資源を整理するところから参入を検討できます。

3.1. 建設・リフォーム・屋根・防水などの住宅関連会社

住宅や建築に関する知識、施工管理の経験、協力会社のネットワークがある会社は、それらを住宅塗装事業に活かせます。

既存のお客様との接点があれば、外壁や屋根の相談を受けるきっかけにもなります。ただし、既存事業の案内に「外壁塗装もできます」と加えるだけでは、専門店との比較で強みが伝わらないことがあります。

3.2. 下請け比率を下げ、自社で受注をつくりたい会社

発注元の方針や価格条件に左右される状態を変えたい会社にとって、住宅塗装の元請け化は選択肢になります。

その際、下請け事業を一度にやめる必要はありません。既存事業の売上と施工体制を支えにしながら、元請け受注の仕組みを育てるという進め方も考えられます。

重要なのは、元請け事業を誰が担当し、既存事業と人員・施工能力をどう配分するかを決めることです。

3.3. 既存事業に続く「第二の収益の柱」をつくりたい会社

既存事業だけに依存せず、新しい収益源を育てたい会社にも、住宅塗装事業は検討対象になります。

ただし、相性の良い業種であることと、すぐに成果が出ることは別です。商圏の競合状況、担当者の確保、施工体制、自社が選ばれる理由を踏まえて、立ち上げ方を考える必要があります。

建設・リフォーム・屋根・防水など外壁塗装の新規事業と相性が良い既存事業

外壁塗装事業と相性の良い既存事業

4. 外壁塗装の新規参入でつまずきやすい3つの失敗パターン

新規参入では、必要なものを揃えることに意識が向きがちです。しかし、商圏や提供価値が曖昧なまま、広告・店舗・採用に投資すると、受注につながらないまま費用が先行することがあります。

4.1. 商圏や強みを決めず、ホームページ・チラシ制作から始める

「まずホームページを作ろう」「チラシを配って反応を見よう」。施策を動かすこと自体は必要ですが、誰に何を伝えるかが決まっていなければ、制作物にも自社を選ぶ理由が表れません。

先に整理したいのは、対象エリア、狙う住宅・顧客、自社の強み、提案する工事の考え方です。そのうえで、Webやチラシに落とし込みます。

前述のG社では、元請けモデル、専門店としてのポジショニング、営業プロセスを一体で見直した結果、チラシ反響率が約20,000枚に1件から約5,000枚に1件へ改善しました。

Web問い合わせも月5件から最高月10件へ増加し、集客全体では前年比約200%となりました。個別の媒体だけを見るのではなく、事業全体を見直した事例です。

G社が集客・営業の仕組みを見直した取り組みを見る

4.2. 「外壁塗装もできます」で終わり、選ぶ理由が伝わらない

お客様は、地域の塗装専門店やリフォーム会社を比較して依頼先を選びます。その中で「対応できる工事」を並べるだけでは、自社に相談する理由が伝わりません。

どのような住宅の相談に強いのか。診断や提案で何を大切にしているのか。施工と工事後の対応をどのように行うのか。お客様が比較するときに判断できる情報として、自社の強みを示す必要があります。

専門店化は、屋号やロゴを変えるだけの取り組みではありません。商品、提案、施工、顧客対応まで、打ち出した強みと一致させることが重要です。

4.3. 問い合わせを増やしても、営業・施工体制が追いつかない

問い合わせが増えても、現地調査や見積り対応が遅れたり、提案内容が担当者によって変わったりすると、契約につながりにくくなります。

また、受注件数だけを追い、施工管理や協力会社の手配が追いつかなくなると、工程の遅れや品質上の問題につながります。

集客数・成約率・施工能力を、同じ事業計画の中で考えることが必要です。どこを先に強化するかは、自社の現在地によって変わります。

商圏・専門店化・集客・営業・施工体制を整える外壁塗装事業の立ち上げ順序

外壁塗装事業の立ち上げ順序


5. 外壁塗装への参入前に整理したい7つの項目

新規参入を検討するときは、次の7項目について、「すでに自社にあるもの」と「これから整えるもの」を分けてみてください。

  1. 商圏:どのエリアで受注し、現地調査・施工・点検に対応するか
  2. ターゲット:どのような住宅と悩みを持つお客様に選ばれたいか
  3. ポジショニング:地域の競合と比較されたとき、何を選ぶ理由にするか
  4. 施工体制:自社職人・協力会社・現場管理で、品質と施工能力を確保できるか
  5. 集客モデル:Web・チラシ・既存顧客・紹介など、どの経路で相談を集めるか
  6. 営業プロセス:誰が現地調査と提案を行い、契約につなげるか
  7. 人材・組織計画:誰が事業を推進し、既存事業とどう役割を分けるか

参入前に、すべてを完成させる必要はありません。ただし、足りない機能を把握せずに始めると、問い合わせが来てから営業担当者を探す、受注してから施工先を探すといった後手の対応になりやすくなります。

施工体制がある会社なら、集客・営業の仕組みづくりが優先になるかもしれません。既存顧客との接点がある会社なら、施工パートナーと現場管理体制の整備が先になることもあります。

必要な費用・人員・立ち上げ期間は、自社の条件から考える

「初期費用はいくら必要か」「何人で始められるか」「どのくらいで軌道に乗るか」は、参入時に確認したい重要な論点です。

これらは、既存拠点や顧客基盤を活用できるか、施工を自社で担うか、どの商圏でどの規模を目指すかによって変わります。他社の費用や人数をそのまま当てはめても、自社に合った計画になるとは限りません。

まず7項目から自社の現在地を整理し、その条件に合わせて投資・人員・集客・受注計画を具体化することが必要です。立ち上げの考え方を学びたい方はセミナーへ、自社の条件で進め方を整理したい方は個別相談をご活用ください。

外壁塗装の新規参入前に確認する商圏・ターゲット・施工・集客・営業・人材などの7項目

外壁塗装事業 参入前の7項目

6. 未経験・下請けから元請け住宅塗装事業を立ち上げた事例2選

ゲームチェンジでは、建設会社・リフォーム会社・専門工事会社の元請け住宅塗装事業の立ち上げを支援しています。ここでは、出発点の異なる2社の事例を紹介します。

6.1. F社|公共土木中心の建設会社が、元請け塗装・リフォームで年商7億円へ

F社は、もともと公共工事の土木事業を主軸とする建設会社でした。そこから一般のお客様に向けた元請けリフォーム事業へ進出し、さらに外壁塗装の専門店モデルを構築しました。

取り組んだのは、事業モデルの設計、ショールーム戦略、Web集客、採用・育成です。お客様が相談しやすい接点をつくるとともに、受注の増加を支える組織づくりを進めました。

その結果、受注率は20%から60%へ、平均単価は150万円から200万円へ向上。0から立ち上げた元請け事業は、塗装・リフォームを含めて年商7億円規模へ成長しました。

住宅塗装の施工や集客に詳しくない会社でも、既存の強みを活かしながら、元請け事業に必要な機能を整えていった事例です。

F社の専門店化・ショールーム・集客・採用の取り組みを見る

6.2. G社|下請け年商8億円の会社が、住宅塗装の元請け化で集客・受注率・単価を改善

G社は、下請け施工で年商約8億円まで成長していた会社です。施工の技術と経験はありましたが、一般のお客様から直接受注する元請け事業は、新たな挑戦でした。

当初は独自にチラシ配布やWebサイト制作を進めたものの、安定した成果につながらず、集客・営業の仕組みを見直す必要がありました。

そこで、元請けモデルの再設計、専門店としての差別化、営業プロセスの標準化を実施しました。

G社で見られた主な変化

  • チラシ反響率:約20,000枚に1件から、約5,000枚に1件へ改善
  • Web問い合わせ:月5件から、最高月10件へ増加
  • 集客全体:前年比約200%
  • 受注率:約20%から約60%へ向上
  • 平均客単価:約150万円から約200万円へ上昇

問い合わせを増やすだけでなく、その後の提案と契約まで見直したことがポイントです。施工力を、お客様に選ばれる理由として伝え、受注につなげる仕組みを整えました。

G社の元請けモデル再設計と集客・営業改善の詳細を見る

公共土木中心のF社と下請け中心のG社が元請け住宅塗装事業を立ち上げた事例

異なる出発点から元請け事業へ

2社に共通するのは、集客と受注体制を一緒に整えたこと

出発点は異なりますが、両社とも、広告だけを追加したわけではありません。専門店としての見せ方、問い合わせを生む集客、契約につながる営業、受注後の施工・組織をつなげて取り組みました。

なお、掲載した数字は各社の個別事例です。自社で同様の成果を目指すには、商圏や既存体制に合わせた計画が必要になります。

7. 外壁塗装の新規事業は、自社の現在地から立ち上げ方を考える

外壁塗装の新規事業や住宅塗装の元請け化には、共通して押さえるべきポイントがあります。一方で、取り組む順序まで、すべての会社が同じになるわけではありません。

施工力がある会社と、既存顧客が多い会社では、活かせる強みが違います。営業を担える社員がいる会社と、経営者が兼任する会社でも、集客の増やし方や受注目標は変わります。

最初に取り組みたいのは、自社にある強みと不足している機能を整理し、どの順序で整えるかを決めることです。

セミナーでは、実践事例を通じて元請け事業の立ち上げ方を学べます。そのうえで、自社に必要な投資・体制・進め方を具体化したい場合は、個別相談で現在の課題をお聞かせください。

8. まとめ|施工力を、直接受注につながる事業へ育てる

外壁塗装・住宅塗装事業は、建設・リフォーム・専門工事会社が、既存の経験や顧客基盤を活かして取り組める新規事業の一つです。

ただし、元請けとして継続的に受注するには、施工体制に加えて、地域のお客様から選ばれる集客・営業の仕組みが必要になります。

  • 施工できることと、元請けで受注できることを分けて考える
  • 広告を制作する前に、商圏・ターゲット・選ばれる理由を整理する
  • 集客・営業・施工・人材計画を一体で進める
  • 他社の成功事例を、自社の条件に合わせて活用する

「外壁塗装を第二の柱に育てたい」「下請け中心の事業から元請け受注を増やしたい」とお考えの方は、無料セミナーで立ち上げの進め方をご確認ください。すでに具体的な検討課題がある方は、個別相談をご利用いただけます。

9. 外壁塗装の新規事業・住宅塗装の元請け化に関するよくある質問

外壁塗装事業は未経験の会社でも新規参入できますか?

未経験から参入した事例はあります。本記事のF社も、公共土木を中心とする会社から、元請け塗装・リフォーム事業へ進出しました。ただし、施工・集客・営業・顧客対応など、元請け事業に必要な機能を整えることが前提です。自社で活かせる強みと、補うべき機能を整理するところから始めます。

下請け事業を続けながら、住宅塗装の元請け化を進められますか?

下請け事業を維持しながら、元請け受注を育てる進め方も考えられます。既存事業と元請け事業で、営業・施工・管理の担当や能力をどう配分するかが重要です。既存の売上を支えながら、どの段階で元請け比率を高めるかを計画します。

外壁塗装の新規事業には、どのくらいの初期費用が必要ですか?

必要な初期費用は、既存拠点を使うか、新たに出店するか、施工や営業を誰が担うかなどによって変わります。店舗・Webサイト・販促・採用などの費用に加え、立ち上げ期の運転資金も含めて考える必要があります。自社の条件に合わせた進め方を整理したい場合は、個別相談をご活用ください。

自社に塗装職人がいなくても参入できますか?

協力会社を活用する施工体制も考えられます。ただし、工事を任せられる会社の確保に加え、仕様の共有、品質確認、工程管理、顧客対応を自社で担える体制が必要です。自社職人の有無だけでなく、工事の品質と施工能力をどのように確保するかで判断します。

元請け住宅塗装事業を始めるには、ショールームが必須ですか?

ショールームの必要性は、商圏、既存拠点、接客方法、目標とする事業規模によって変わります。F社ではショールームを集客・相談の受け皿として活用しましたが、出店だけで受注が増えるわけではありません。集客と営業の仕組みを含め、自社に適した拠点のあり方を検討することが重要です。

住宅塗装事業の立ち上げには、どのくらいの期間がかかりますか?

既存の施工体制や顧客基盤、担当者の確保状況によって変わります。また、最初の受注を得ることと、継続して受注できる状態をつくることでは、必要な準備が異なります。商圏・商品・集客・営業・施工体制の整備状況を確認し、段階ごとの目標を決める必要があります。

参入時は、まずホームページやチラシを制作すべきですか?

先に商圏、ターゲット、自社が選ばれる理由を整理することをおすすめします。その内容をWebサイトやチラシに反映することで、施策の方向性を揃えやすくなります。制作と並行して、問い合わせを受けた後の現地調査・提案・施工体制も準備してください。

無料セミナーと個別相談は、どちらを利用すればよいですか?

元請け住宅塗装事業の全体像や、立ち上げの進め方を学びたい方には無料セミナーをおすすめします。自社の商圏・施工体制・既存事業を踏まえて、何から取り組むかを整理したい方は個別相談をご利用ください。セミナーで考え方を学んだ後に、個別相談へ進むこともできます。

まだ参入を決めていない段階でも相談できますか?

参入を検討している段階でもご相談いただけます。現在の事業、商圏、顧客基盤、施工・営業体制などを伺い、元請け住宅塗装事業を検討するうえでの課題や、準備すべき項目を整理します。

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売上7億円の壁を超えられない?塗装・リフォーム・建設会社が見直すべき「組織の仕組み」

 

【本コラムで分かること】

  • なぜ塗装・リフォーム・建設会社は売上7〜10億円前後で成長が鈍化しやすいのか
  • 社長のカリスマ経営だけでは会社を伸ばしにくくなる理由
  • 幹部が「伝達係」にならず、経営を支えるために必要な役割
  • 役職ごとの責任と管理すべき数字を明確にする方法
  • 評価制度を整え、社員が「何を頑張ればいいのか」を分かる状態にする方法
  • 幹部会議と予実管理で、売上だけでなく利益を管理する方法
  • 7億円前後から10億円を目指す会社が組織を仕組み化するための考え方

売上7〜10億円前後で「組織が追いついていない」と感じている経営者様へ

組織図・役割・評価制度・幹部会議・予実管理などを整理し、社長だけに依存しない経営体制づくりについてご相談いただけます。

売上7億円を超えたあたりから、なぜか会社が伸びない。幹部は動かない、社員は辞める、売上は増えても利益が残らない――。その原因は「組織」にあるかもしれません。

「売上は伸びているのに、なぜか利益が残らない」

「幹部に任せたいのに、社長が細かく指示しないと動かない」

「社員が辞めるたびに、採用と教育を繰り返している」

「営業・施工管理・事務の役割が曖昧になっている」

このような悩みは、売上規模が大きくなった建設会社・専門工事会社で起こりやすい経営課題の一つです。

小規模な会社であれば、社長自身が営業・採用・現場・数字まで把握し、直接指示することで会社を動かせます。

しかし、社員数が増え、複数の現場や営業拠点を抱えるようになると、社長一人ですべてを管理することは難しくなります。

そこで重要になるのが、「社長が頑張る経営」から「組織と数字で動く経営」への転換です。

本コラムでは、ゲームチェンジ株式会社代表・中屋氏の動画内容をもとに、売上7〜10億円前後の建設会社・専門工事会社が成長の壁を突破するために見直したい、組織づくりと幹部育成のポイントを解説します。

▼今回のテーマを動画でも解説しています▼

売上7〜10億円前後で起こりやすい「組織の壁」と、幹部育成・予実管理の重要性について解説しています。

1. なぜ売上7〜10億円前後で「組織の壁」が起こるのか

売上7〜10億円前後の会社は、外から見るとすでに地域で有名な企業になっているケースがあります。

店舗や拠点があり、社員も増え、施工実績も積み上がっている。経営者自身も、創業から会社を成長させてきた実績があります。

ところが、会社の内部では次のような問題が起こり始めます。

  • 幹部が思うように動かない
  • 社員の離職が続く
  • 営業担当者が疲弊する
  • 施工管理の負担が増える
  • 社長が細かい判断まで行わなければならない
  • 売上は増えているのに利益が残らない
売上の成長と組織の壁のイメージ図

売上の成長と組織の壁のイメージ図

この段階では、単純に「もっと営業を頑張る」「もっと採用する」といった対策だけでは、根本的な解決にならないことがあります。

必要なのは、会社の規模に合わせて組織の仕組みを作り直すことです。

2. 社長のカリスマ経営だけでは10億円を超えにくくなる理由

会社が小さいうちは、社長の判断力や営業力がそのまま会社の成長力になります。

社長が顧客のことを理解し、営業現場を把握し、社員一人ひとりに直接指示することで、会社全体を動かすことができます。

しかし、社員が増え、現場が複数になり、管理すべき案件や数字が増えると、社長の声がすべての社員へ直接届く状態ではなくなります。

情報伝達構造のイメージ図

情報伝達構造のイメージ図

ここで重要になるのが幹部の役割です。

幹部が単なる「社長の伝達係」になっていると、社長の考えが現場へ正しく伝わらなくなります。

一方で、幹部が数字を見て判断し、部下を育成し、会社の方針を自分の言葉で伝えられるようになれば、社長がすべてを直接管理しなくても組織を動かせるようになります。

3. 最初に見直したいのは「組織図」と「役割」です

組織づくりの第一歩は、現在の組織を紙に書き出すことです。

営業、施工管理、事務、経理など、それぞれの部門について、

  • 誰が責任者なのか
  • 誰が誰を管理するのか
  • 誰が最終判断するのか
  • どの数字に責任を持つのか

を明確にします。

各部門の組織図

各部門の組織図

特に注意したいのが、「全員がフラットで、誰が責任者なのか分からない状態」です。

役割が曖昧な会社では、問題が発生したときに「誰が判断するのか」「誰が改善するのか」が分からなくなります。

例えば店長に対して、単に「売上を上げてください」と伝えるだけでは不十分です。

売上なのか、成約率なのか、粗利なのか、集客なのか。どの数字について責任を持つのかを明確にする必要があります。

4. 成長企業に必要な「3つの仕組み」

売上7〜10億円前後から組織を強化する際、特に重要になるのが次の3つです。

  1. 役割の定義
  2. 評価制度
  3. 幹部会議と予実管理
組織を強くする「3つの仕組み」イメージ図

組織を強くする「3つの仕組み」イメージ図

4-1. 役割を明確にする

まず、「誰が何に責任を持つのか」を明確にします。

例えば、営業責任者であれば、売上だけを見るのではなく、

  • 問い合わせ数
  • 商談数
  • 見積提出数
  • 成約率
  • 受注金額
  • 受注粗利

など、自社の営業プロセスに合わせて管理項目を設定します。

4-2. 評価制度を整える

社員が「何を頑張れば評価されるのか」が分からない状態も、組織が大きくなるほど問題になります。

営業であれば売上や成約率を評価しやすい一方、施工管理や事務などは、単純な売上だけでは評価できません。

そのため、職種ごとに「会社が期待する成果」を定義する必要があります。

評価基準が明確になれば、社員にとっても、

  • 何を目指せばよいのか
  • どの能力を伸ばせばよいのか
  • どのような行動が評価されるのか

が分かりやすくなります。

4-3. 幹部会議と予実管理を行う

3つ目が、感覚ではなく数字で会社を管理することです。

売上だけを見るのではなく、予算と実績を比較し、差異が生じた原因を確認します。

これによって、「売上は上がっているのに利益が残らない」といった問題も、どこで数字が崩れているのかを追いやすくなります。

5. 売上が増えても利益が残らない会社に起きていること

建設会社・専門工事会社では、売上高だけを見ていると経営状態を正しく判断できません。

例えば社長は「利益を残したい」と考えているのに、営業担当者が売上だけを追い、大幅な値引きを行ってしまうケースがあります。

また、受注時には十分な粗利があると思っていた案件でも、追加発注や手直しなどによって完工時の粗利が大きく下がる場合があります。

粗利と各工程のイメージ図

粗利と各工程のイメージ図

そのため、少なくとも次の数字は継続的に確認したいところです。

  • 受注金額
  • 受注時の予定原価
  • 受注粗利額・受注粗利率
  • 実際にかかった原価
  • 完工粗利額・完工粗利率
  • 受注粗利と完工粗利の差
  • 追加工事・追加発注・手直しの有無

重要なのは、数字が悪かったことを誰かの責任にすることではありません。

「なぜ差が生まれたのか」を分類し、次の案件で同じ問題を起こさない仕組みに変えることが重要です。

6. 幹部が機能しない会社では「社長の方針」が現場まで届かない

会社が大きくなると、社長が直接社員全員に指示することは難しくなります。

そのため、社長と現場の間にいる幹部が重要な役割を担います。

幹部には、単に社長の言葉を伝えるだけではなく、

  • 会社の方針を理解する
  • 自分の言葉で部下へ伝える
  • 数字を見て判断する
  • 部下を育成する
  • 問題を社長へ報告する
  • 改善策を実行する

といった役割が求められます。

つまり、幹部は「伝達係」ではなく「経営を現場へ落とし込む責任者」として機能する必要があります。

「幹部に任せたいのに、社長が全部見ないと回らない」という会社様へ

組織図・役職ごとの責任・管理数字・会議体制を整理し、社長だけに負担が集中しない組織づくりを一緒に考えます。

7. 社員が辞める原因を「個人の問題」だけにしない

社員が退職したとき、つい「本人に問題があった」と考えてしまうことがあります。

もちろん、退職には本人側の事情もあります。しかし、同じような理由で複数の社員が辞めているのであれば、会社側の仕組みにも目を向ける必要があります。

例えば、

  • 会社がどこへ向かっているのか分からない
  • 自分の役割が曖昧
  • 評価基準が分からない
  • 頑張っても評価されている実感がない
  • 上司によって言うことが違う
  • 育成の仕組みがない

といった状態が続けば、社員の不満につながる可能性があります。

特に「給与が低いから辞めた」と結論づける前に、評価・役割・育成・組織の方向性に問題がないかを確認することが重要です。

離職を防ぐためには、退職者を責めることではなく、同じ問題が繰り返される構造を見つけることが必要です。

8. 売上7〜10億円から10億円を目指すための組織づくり

ここまでの内容を整理すると、7〜10億円前後からさらに会社を成長させるためには、次の順番で組織を整えることが重要です。

年商ごとの成長ロードマップ

年商ごとの成長ロードマップ

  1. 組織図を作る:誰が誰を管理するのかを明確にする
  2. 役割を定義する:役職ごとの責任と管理数字を決める
  3. 評価基準を整える:何を達成すれば評価されるのかを明確にする
  4. 幹部を育成する:数字を見て判断し、部下を育成できる人材を増やす
  5. 予実管理を行う:感覚ではなく、予算と実績の差を見る
  6. 会議を仕組み化する:数字を確認し、改善策と担当者を決める
  7. 権限委譲する:社長がすべて判断する状態から脱却する

ここで大切なのは、単に「社長が仕事を手放す」ことではありません。

判断基準・数字・責任範囲を明確にしたうえで、幹部へ権限を渡すことが重要です。

9. 組織の壁を突破するために、社長が最初に確認すべき5つの質問

最後に、現在の組織が10億円規模の会社を目指せる状態になっているか、次の5つを確認してみてください。

  1. 組織図を見たとき、誰が誰の責任者なのか明確ですか?
  2. 各幹部が、自分の責任数字を説明できますか?
  3. 社員は「何を頑張れば評価されるのか」を理解していますか?
  4. 月次の会議で、予算と実績の差を確認していますか?
  5. 社長が不在でも、幹部が判断して会社を動かせますか?

もし複数の質問に「いいえ」と答えるのであれば、売上をさらに伸ばす前に、組織の仕組みを見直すタイミングかもしれません。

10. ゲームチェンジが支援できること

ゲームチェンジ株式会社では、住宅塗装会社・リフォーム会社・建設会社・専門工事会社の経営者様に向けて、売上拡大だけではなく、会社の成長に合わせた組織づくり・幹部育成・数字管理をご支援しています。

  • 組織設計:営業・施工管理・事務などの役割と責任範囲を整理
  • 幹部育成:数字を見て判断し、部下を育成できる幹部づくり
  • 評価制度:役職・職種ごとの評価基準を整理
  • 予実管理:売上・粗利などの予算と実績を継続的に管理
  • 会議設計:幹部会議などで数字を確認し、改善につなげる仕組みづくり
  • 採用・育成:組織の成長に合わせた採用・人材育成の計画づくり

大切なのは、社長自身がさらに頑張ることではありません。

社長の考えを組織全体へ伝え、幹部が判断し、社員が役割を理解して動ける仕組みを作ること。

売上7〜10億円前後で成長が鈍化している場合は、営業や集客だけではなく、一度「組織」という視点から会社を見直してみることをおすすめします。

売上7〜10億円前後の「組織の壁」を突破しませんか?

「売上は伸びているのに利益が残らない」「幹部に任せられない」「社員が定着しない」などの経営課題を、組織・制度・数字管理の仕組みから整理します。

自社では何から見直すべきなのか分からないという場合も、まずはお気軽にご相談ください。

11. よくある質問(FAQ)

Q. なぜ売上7〜10億円前後で会社の成長が鈍化するのでしょうか?
A. 必ずしもすべての会社に当てはまるわけではありませんが、社員数・案件数・拠点数などが増えることで、社長個人の判断や経験だけでは管理しきれなくなり、組織や数字管理の仕組みが追いつかなくなるケースがあります。

Q. 売上10億円を目指すなら、まず何から始めればよいですか?
A. まずは現在の組織図を書き出し、誰が誰を管理し、各役職がどの数字に責任を持っているのかを明確にすることをおすすめします。

Q. 幹部が社長の指示を伝えるだけになっています。どうすればよいですか?
A. 幹部の役割を「伝達」だけにせず、数字を見て判断する責任、部下を育成する責任、会社の方針を自分の言葉で伝える責任まで明確にすることが重要です。

Q. 社員が辞めるのは給与が原因ではないのでしょうか?
A. 給与は退職理由の一つになり得ます。ただし、それだけが原因とは限りません。会社の方向性、役割、評価基準、育成環境などに不満がないかも合わせて確認することが重要です。

Q. 予実管理では何を見ればよいですか?
A. 売上だけではなく、受注粗利、完工粗利、原価、販管費など、自社の経営判断に必要な数字を設定し、予算と実績の差、その原因を継続的に確認することが重要です。

Q. 売上が増えているのに利益が残りません。何を確認すればよいですか?
A. 受注時の予定粗利と完工時の実際の粗利を比較し、追加発注、追加工事の未請求、手直し、原価超過、値引きなど、どこで利益が減少したのかを確認することをおすすめします。

Q. 社長がすべての仕事を手放す必要がありますか?
A. すべてを手放す必要はありません。重要なのは、社長が直接判断する業務と、幹部へ権限委譲する業務を整理し、責任範囲と判断基準を明確にすることです。

Q. ゲームチェンジでは建設会社・専門工事会社の組織づくりについて相談できますか?
A. はい。ゲームチェンジ株式会社では、住宅塗装会社・リフォーム会社・建設会社・専門工事会社の経営者様に向けて、組織設計、幹部育成、評価制度、予実管理、採用・育成などについてご相談いただけます。

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社長が頑張るほど会社は伸びなくなる?塗装会社が5億円の壁を超える人材育成と仕組み化

「社長がやる」から「社員ができる」へ。5億円の壁を超える人材育成と組織づくり

年商3億円、4億円までは順調に成長してきたものの、5億円前後になると売上が伸びたり下がったりして、なかなか次のステージへ進めない。

「営業マンを採用してもなかなか育たない」
「施工管理を任せられる人材がいない」
「幹部を育てたいが、結局社長が全部見てしまう」
「評価制度や会議を導入しても、人が育っている実感がない」

このような悩みを抱える塗装会社・リフォーム会社の経営者様は少なくありません。

実は、塗装会社が年商5億円前後で成長が止まる大きな理由の一つは、社長に業務や判断が集中し、営業・施工管理・幹部などの人材育成が仕組み化されていないことにあります。
5億円を超えるためには、社長自身がすべてを管理するのではなく、業務を分解し、育成フロー・業務フロー・評価基準を整備することが重要です。

本コラムでは塗装会社・リフォーム会社が年商5億を超えるための「人材育成」と「組織づくり」について解説します。

塗装会社の人材育成・組織づくりについて相談する

年商5億円の壁を突破するために。自社の「人が育たない原因」を整理し、育成の仕組み化を一緒に考えます。

1.塗装会社が年商5億円前後で成長が止まる理由

塗装会社やリフォーム会社では、年商3億円程度までは社長自身の営業力・判断力・行動力によって会社を成長させられるケースがあります。

社長が営業すれば受注できる。
社長が現場に行けば問題を解決できる。
社長が会議に参加すれば社員が動く。

これは会社にとって大きな強みです。

しかし、年商4億円、5億円と会社規模が大きくなるにつれて、社長一人ですべてを見ることは難しくなります。

社長依存から社員が動ける仕組み化イメージ図

社長依存から社員が動ける仕組み化イメージ図

そして、ここで起こりやすいのが「社長が優秀すぎることによる成長の壁」です。

社員が育たないのではなく、社員が育つ前に社長がすべて解決してしまうのです。

結果として、社長がいないと営業が進まない、現場の問題を解決できない、判断できないという状態になります。

これが、塗装会社が5億円前後で成長を止める大きな要因の一つです。

2.このようなお悩みはありませんか?

  • 年商3億円・4億円までは成長したが、5億円が見えてこない
  • ここ数年、売上が上がったり下がったりしている
  • 営業マンを採用してもなかなか育たない
  • 営業成績の悪い社員を「能力不足」と考えてしまう
  • 施工管理を任せられる人材が育っていない
  • 店長や幹部が社長の代わりに判断できない
  • 社長が営業・現場・会議・クレーム対応まで抱えている
  • 「見て覚えろ」「現場で慣れろ」という育成になっている
  • 社員教育をしているものの、担当者によって教える内容が違う
  • 評価制度や会議を導入したものの、人材育成につながっていない
  • 採用を増やしたいが、育成できる自信がなく採用に踏み切れない

ひとつでも当てはまる場合、問題は「社員の能力」ではなく「社員が育つ仕組み」にある可能性があります。

人材不足が続く中小企業では、最初から完成された優秀な人材を採用することは簡単ではありません。

だからこそ、採用した人材を一定のレベルまで育てられる仕組みを会社側が持っておくことが重要です。

3.塗装会社の人材育成を仕組み化すると分かること

塗装会社の人材育成を仕組み化するうえで、最も重要なのは、「誰を採用するか」だけではなく「入社した人をどう育てるか」を設計することです。

人が育たない会社では、「あの社員はセンスがない」「能力が低い」と社員側に原因を求めてしまいがちです。

しかし、本当に確認すべきなのは、「その社員が何をすれば一人前になれるのか、会社側が明確に定義できているか」です。

例えば、新しく入社した営業社員に対して、次のような基準が明確になっているでしょうか。

  • 入社1か月目に身につけるべき知識・スキル
  • 入社3か月目までにできるようになる業務
  • 半年後に任せる業務
  • 1年後に求める営業能力
  • 一人で商談を任せるための基準
  • 成約率や平均単価などの評価指標

これらが明確になっていなければ、社員は「何を頑張れば評価されるのか」「何ができれば一人前なのか」が分かりません。

営業社員の育成ロードマップ

営業社員の育成ロードマップ

業務を分解しなければ、社員には教えられない

育成を仕組み化する最初のステップは、社長自身が普段行っている業務を分解することです。

例えば営業であれば、単純に「営業を教える」のではなく、

  • 初回相談で何を確認するのか
  • 現地調査でどこを見るのか
  • 劣化診断をどう説明するのか
  • 見積書のどこを確認するのか
  • 競合との比較にどう対応するのか
  • クロージングでは何を確認するのか
  • 失注した場合に何を振り返るのか
  • 追客をどのタイミングで行うのか

というように、一つひとつの業務に分解します。

これができれば、社長が感覚的に行っていた仕事を「教科書」に変えることができます。

必要なのは「チェックリスト」だけではなく「仕組み」

ただし、チェックリストを作るだけでは十分ではありません。

重要なのは、業務フロー・育成フロー・評価基準をセットで設計することです。

人材育成を仕組みで回すPDCAサイクル

人材育成を仕組みで回すPDCAサイクル

「見て覚えろ」
「先輩についていけ」
「現場で慣れろ」

こうした育成だけでは、教える人によって内容が変わり、社員の成長にもばらつきが出ます。

誰が教えても「最低限ここまではできる」という基準を作ることが、5億円を超える会社には必要です。

①営業の標準化

営業では、担当者によって成約率や平均単価に大きな差が出ることがあります。

例えば、

  • 営業A:成約率60%・平均単価130万円
  • 営業B:成約率30%・平均単価95万円

この数字だけを見て「営業Bは能力が低い」と判断するのは早すぎます。

重要なのは、「どの工程で差が生まれているのか」を確認することです。

  • 初回相談でのヒアリング
  • 現地調査・劣化診断
  • 見積もりの作り方
  • 提案内容
  • クロージング
  • 競合対策
  • 追客

どこに差があるのかを分解すれば、社員個人の能力だけではなく、具体的な改善ポイントが見えてきます。

成約率60%と30%の営業プロセス比較

成約率60%と30%の営業プロセス比較

②施工管理の標準化

施工管理についても、担当者の経験や感覚だけに頼ってはいけません。

例えば、

  • 着工前に何を確認するのか
  • 職人への指示をどう出すのか
  • 現場へどのタイミングで行くのか
  • 品質をどの基準でチェックするのか
  • 追加工事が発生した場合にどう判断するのか
  • クレームを防ぐために何を確認するのか
  • 粗利をどのタイミングで確認するのか

こうした業務を明確にすることで、施工品質と粗利の両方を管理できる施工管理体制につながります。

③店長・幹部の標準化

会社が5億円を超えてくると、社長一人ですべての社員を管理することは難しくなります。

そのため、店長や幹部が「社長の代わりに判断できる状態」を作ることが重要です。

そのためには、

  • 部下をどう教育するのか
  • どのタイミングで進捗を確認するのか
  • どの数字を見るのか
  • 問題が発生したときにどこまで判断するのか
  • どの段階で社長へ報告するのか

といった幹部の役割と判断基準を明確にします。

これができれば、社長がすべての現場に介入しなくても、組織が動くようになります。

権限移譲の階層図

権限移譲の階層図

つまり、5億円を超えるための人材育成とは、単に研修を増やすことではありません。

「誰がやっても一定水準の成果が出る状態」を作り、その仕組みを社内に定着させることです。

社長依存から脱却する「仕組み化」の秘訣

営業・施工管理・幹部育成など、自社だけでは仕組み化が難しい場合、第三者の視点を入れることも一つの方法です。個別相談でヒントを得ませんか?

4.塗装会社の「人材育成・仕組み化」の考え方

塗装会社が5億円の壁を超えるためには、社長が自分の仕事を棚卸しし、社員へ渡せる業務を少しずつ切り出していくことが重要です。

①社長の仕事を分解する

社長の仕事棚卸イメージ図

社長の仕事棚卸イメージ図

まずは、社長自身が普段どのような仕事をしているのかを紙に書き出します。

見積もり、競合対策、クレーム対応、営業同行、会議、採用面接など、社長が感覚的に行っている仕事を一つずつ分解します。

その中から、社員に渡せる業務を2割、3割と増やしていきます。

②業務をマニュアル・チェックリストにする

仕組み化ステップイメージ図

仕組み化ステップイメージ図

次に、分解した業務をチェックリストやマニュアルにします。

ここで重要なのは、完璧なマニュアルを最初から作ろうとしないことです。

まずは「最低限ここまでやればOK」という基準を作り、実際に社員へ使ってもらいながら改善していきます。

③育成と評価を連動させる

育成の仕組みを作ったら、評価基準とも連動させます。

「何を覚えたら次のステージへ進めるのか」
「どの業務を一人でできれば一人前なのか」
「どの数字を達成すれば評価されるのか」

これらを明確にすることで、社員自身も成長の方向性を理解しやすくなります。

人材育成を「教育担当者の頑張り」ではなく「会社の仕組み」に変えることが重要です。

④「採用すれば解決する」という考え方を見直す

人が足りないから採用する。

これは間違いではありません。

しかし、育成の仕組みがない状態で採用人数だけを増やしても、教育担当者の負担が増え、かえって生産性が下がる可能性があります。

だからこそ、「採用」と「育成」をセットで考えることが必要です。

採用する前に、「入社した人をどう育てるのか」「誰が教えるのか」「いつまでに何ができればいいのか」を決めておくことが、5億円を超える組織づくりにつながります。

5.このような経営者さまにおすすめです

  • 年商3億円〜5億円前後で成長が止まっている塗装会社様
  • 5億円を超えてさらに会社を成長させたい経営者様
  • 営業マンを採用してもなかなか育たない会社様
  • 施工管理を任せられる人材を育てたい会社様
  • 店長・幹部を育成して社長依存から脱却したい会社様
  • 社員教育を仕組み化したい経営者様
  • 社長自身が営業や現場から離れられない会社様
  • 社員の能力不足ではなく、育成の仕組みを見直したい会社様
  • 業務マニュアルやチェックリストを整備したい会社様
  • 採用と育成を連動させて組織を強くしたい会社様

社長が現場を離れ、組織で動く会社へ。

年商5億円の壁を越えたい塗装・リフォーム会社の経営者様。育成の仕組み化や幹部教育についてお悩みでしたら、ぜひ一度ゲームチェンジにご相談ください。

5億円以降の成長に向けた育成体制の構築をお手伝いします。

6.よくあるご質問

Q. なぜ塗装会社は年商5億円前後で成長が止まりやすいのですか?

年商3億円程度までは、社長自身の営業力や判断力によって会社を成長させられるケースがあります。しかし、会社規模が大きくなると社長一人ですべての営業・施工管理・社員教育を行うことが難しくなります。そのため、社長に業務や判断が集中している会社では、5億円前後で成長の壁にぶつかることがあります。

Q. 社員が育たない原因は、本人の能力不足ではないのでしょうか?

社員本人の適性や能力が影響する場合もありますが、それだけで判断するのはおすすめできません。業務内容や育成基準が明確になっていなければ、社員自身も「何をすれば一人前なのか」が分からないためです。まずは会社側に育成の仕組みがあるかを確認することが重要です。

Q. 営業マンの育成では何を仕組み化すればよいですか?

初回相談、現地調査、劣化診断、見積もり、提案、クロージング、追客など、営業プロセスを分解することが重要です。さらに、それぞれの工程で「何を確認するのか」「どのように対応するのか」「どの基準を満たせば次へ進めるのか」を明確にすると、営業育成を標準化しやすくなります。

Q. 施工管理の人材育成では何を見直せばよいですか?

着工前の確認、現場管理、品質チェック、職人への指示、追加工事への対応、クレーム予防、粗利管理などを業務ごとに分解することが重要です。施工品質だけでなく、粗利を守るための管理基準も合わせて整備することがポイントです。

Q. 幹部が育たず、社長に仕事が集中しています。どうすればよいですか?

幹部に任せる業務と判断できる範囲を明確にすることが重要です。「何を任せるか」だけでなく、「どこまで自分で判断してよいのか」「どの段階で社長へ報告するのか」までルール化すると、社長への業務集中を減らしやすくなります。

Q. 「見て覚えろ」という教育では問題がありますか?

経験を積むことは重要ですが、「見て覚える」だけでは教える人によって内容が変わり、育成の再現性が低くなります。業務フロー、チェックリスト、育成基準、評価基準を整備し、誰が教えても一定水準まで育てられる状態を作ることが重要です。

Q. 採用を増やせば人材不足を解決できますか?

採用人数を増やすだけでは十分ではありません。育成の仕組みがない状態で採用を増やすと、教育する側の負担が増える可能性があります。採用と同時に、入社後の育成ロードマップや教育担当、評価基準などを整備することが重要です。

Q. 自社だけで人材育成の仕組みを作るのが難しい場合はどうすればよいですか?

社長自身が現場経験を積み重ねてきた会社ほど、自分では当たり前になっている判断基準や仕事の進め方を言語化することが難しい場合があります。その場合は、第三者の視点を取り入れながら、業務の棚卸しや育成フローの設計を行う方法もあります。

Q. ゲームチェンジでは塗装会社の人材育成について相談できますか?

はい。ゲームチェンジでは、塗装会社・リフォーム会社を対象に、営業・施工管理・幹部育成などの組織づくりや仕組み化についてサポートしています。「何から整理すればよいか分からない」という段階からでもご相談いただけます。

Q. 5億円を超えた後も仕組み化は必要ですか?

必要です。会社規模が大きくなるほど、社長一人ですべてを管理することは難しくなります。10億円、20億円とさらに成長するためには、営業・施工管理・幹部など、それぞれの役割と業務を標準化し、組織として再現できる仕組みを作ることが重要になります

company-10-billion

なぜ売上10億円を超えられない?塗装・建設会社が見直すべき4つの経営ポイント

​

【本コラムで分かること】

  • 建設・塗装会社が年商10億円を目指すときにぶつかりやすい「10億円の壁」
  • 10億円企業に必要な「高収益化・予実管理・施工管理・採用」の4つのポイント
  • 売上だけでなく、受注金額・完工金額・受注粗利・完工粗利を見る理由
  • 予実管理によって将来の資金と投資を見える化する方法
  • 受注時には良かった粗利が、完工時に下がる原因と改善方法
  • DXを導入するときに「高額なシステム」より先にやるべきこと
  • 10億円企業に向けた採用で重要な「未来組織図」と人材への先行投資

年商10億円を目指す塗装・リフォーム・建設会社の経営者様へ

売上を伸ばすだけでなく、予実管理・施工管理・採用まで含めて「10億円企業の経営体制」を整えたい方はご相談ください。


「売上10億円」が見えてきたのに、なぜかお金が残らない――。
そんな状態になっていませんか?


「売上は伸びているのに、なぜか利益が残らない」

「受注時には良い粗利が出ていたはずなのに、完工すると粗利が下がっている」

「忙しくなっているのに、採用や設備投資に踏み切れない」

「今後どれくらいのお金が入ってくるのか分からず、先行投資が怖い」

塗装会社・リフォーム会社・土木会社・電気工事会社など、専門工事を行う会社が事業を拡大していくと、このような問題に直面することがあります。
年商10億円を目指すなら、売上を伸ばす「攻め」だけでは不十分です。受注が増えるほど、資金繰りや施工管理、人材不足といった「守り」の課題が大きくなります。
必要なのは、売上を増やす力だけではなく、増えた売上から利益を残し、次の投資につなげる仕組みです。

本記事では、専門工事業・建設業の経営者に向けて、年商10億円を目指すために押さえておきたい「予実管理」「施工管理」「DX」「採用」のポイントを解説します。

▼詳しく解説している動画はこちら▼

年商10億円を目指すための予実管理・施工管理・DX・採用について解説しています

1. 専門工事会社が年商10億円を目指すときにぶつかる「10億円の壁」とは?

年商10億円を目指す会社には、いくつか共通してぶつかるポイントがあります。

動画では、専門工事会社について「売上を作る力はあるものの、守備面が追いついていないケースが多い」と説明されています。

例えば、次のような状態です。

  • 売上はあるが、粗利が十分に残っていない
  • 受注時には粗利が確保できているが、完工時に粗利が下がっている
  • 売上が増えることで資金繰りが厳しくなる
  • 採用したいが、先行投資が怖くて採用できない
  • 広告宣伝や設備投資に踏み切れない

つまり、10億円の壁は「どうやって売上を増やすか」だけの問題ではありません。

売上が増えたときに必要となる資金・人材・施工体制・利益管理を先回りして整えられるかが重要になります。

10億円の壁イメージ図

10億円の壁イメージ図

2. 10億円企業に必要な4つのピース

動画では、10億円企業を目指すために重要な要素として、次の4つが挙げられています。

  1. ビジネスモデルの高収益化
    売上を作るだけではなく、利益を残せる事業構造を作る。
  2. 予実管理でお金を管理する
    「どれくらい売上が入るのか」「どれくらい利益が出るのか」を予測し、先行投資の判断材料にする。
  3. 施工管理で守備を強化する
    受注時の粗利と完工時の粗利を比較し、利益が減った原因を把握する。
  4. 採用によって組織をスケールさせる
    将来必要になる組織を先に描き、必要な人材へ投資する。

この4つは独立したものではありません。

高収益化して利益を残し、予実管理によって将来のお金を見える化する。そして、施工管理によって利益を守り、利益が残るようになったら採用へ投資する。この流れが重要です。

10億円企業の4つのピース

10億円企業の4つのピース

3. 予実管理とは?10億円企業に必要な理由

10億円企業を目指すうえで、特に重要になるのが予実管理です。

予実管理とは、簡単に言えば「予算」と「実際の結果」を比較して、計画通りに進んでいるかを確認することです。

例えば、

  • 毎月どれくらい売上を作るのか
  • どれくらいの利益が必要なのか
  • どれくらい工事を完工する必要があるのか
  • どれくらいの受注が必要なのか
  • 将来どれくらいのお金が入ってくるのか

こうした数字をあらかじめ計画しておき、実際の結果と比較します。

重要なのは、単に「今月いくら売れたか」を見ることではありません。

半年後、1年後にどれくらいの売上・利益・資金が見込めるのかを把握することが、予実管理の大きな目的です。

予実管理のPDCAフロー

予実管理のPDCAフロー

4. 年商10億円なら月8,000万〜9,000万円の売上をどう作るか考える

動画では、年商10億円を目指す場合、単純に年間売上だけを見るのではなく、月ごとの売上や工事量まで分解して考える必要があると説明されています。

例えば年間10億円を目標にするなら、単純計算では月間約8,333万円です。

ただし、専門工事会社では毎月同じ工事量を完工できるとは限りません。

天候や季節によって施工量が変わるため、繁忙期・閑散期を考慮して計画を組む必要があります。

動画では、梅雨などで現場作業が止まりやすい時期には係数を0.9程度にし、その分を別の月で1.1倍にする、といった考え方が紹介されています。

重要なのは、毎月「8,000万円売る」と機械的に考えることではなく、自社の過去実績から季節変動を把握し、月ごとの完工可能額を予測することです。

月間売上計画の考え方イメージ図

月間売上計画の考え方

5. 予実管理で見るべき7つの数字

では、実際に何を管理すればよいのでしょうか。

動画では、20億円・30億円規模の会社で確認している数字として、次のような項目が紹介されています。

  1. 受注金額
  2. 完工金額
  3. 見込み顧客数
  4. 提出済み見積金額
  5. 見積からの決定率
  6. 3か月後・6か月後までの受注残
  7. 集客・広告などの投資額とリターン

さらに、前月・前々月・前年と比較し、自社の過去3年間の売上推移も確認することで、季節変動や異常値を把握しやすくなります。

特に重要なのが、「現在の売上」だけではなく「未来の売上がどれくらい見えているか」です。

見込み顧客、提出済み見積、受注残などを把握できれば、「3か月後にどれくらい受注できそうか」「半年後の工事量は足りているか」といった判断ができるようになります。

6. 予実管理ができると「先行投資の恐怖」が減る

予実管理の重要なメリットは、数字を管理することそのものではありません。

未来が見えることで、先行投資の判断がしやすくなることです。

例えば、

  • 新しい社員を採用する
  • 広告宣伝費を増やす
  • 設備投資をする
  • 新しい店舗を出す

こうした投資には、当然お金が必要です。

「投資したらお金がなくなるかもしれない」と感じるのは、将来どれくらいのお金が入ってくるのか分からないからです。

反対に、今後の受注・完工・入金がある程度予測できていれば、「このタイミングなら採用できる」「この金額なら広告投資できる」と判断しやすくなります。

動画では、予実管理の精度について、まず10〜20%以内のズレに抑え、最終的には5%以内を目指す考え方が示されています。

つまり、予実管理とは経理のためだけの数字管理ではなく、社長が未来への投資判断をするための仕組みです。

7. 受注粗利は良いのに、完工粗利が下がるのはなぜ?

10億円を目指す会社では、売上だけでなく受注時と完工時の粗利の差を確認することが重要です。

例えば、受注時には「この工事なら十分な粗利が取れる」と判断していたとしても、実際に工事を終えてみると利益が減っているケースがあります。

原因として考えられるのは、

  • 想定していた原価より材料費が増えた
  • 外注費が増えた
  • 追加発注が発生した
  • 現場でイレギュラーが発生した
  • 追加工事を適切に請求できなかった
  • 施工上の問題で手直しが発生した

ここで重要なのは、こうした問題を「イレギュラーだから仕方ない」と終わらせないことです。

同じ原因で粗利が下がっているのであれば、それはイレギュラーではなく、自社の業務フローに潜んでいる再発可能な問題かもしれません。

受注時粗利から完工粗利までの変化図

受注時粗利から完工粗利までの変化図

8. 施工管理では「粗利がどこで減ったか」を数字で見る

施工管理で重要なのは、現場を管理するだけではありません。

受注時に予定していた粗利と、完工時に実際に残った粗利を比較することが重要です。

例えば、受注時の予定粗利が20%だったとして、完工時に15%になっていたとします。

この5ポイントの差を「なんとなく利益が減った」で終わらせてはいけません。

「材料費なのか」「外注費なのか」「追加工事なのか」「施工ミスなのか」「見積もりの問題なのか」まで確認します。

原因が分かれば、

  • 見積もりテンプレートを変更する
  • 原価設定を見直す
  • 発注ルールを変更する
  • 施工マニュアルを改善する
  • 追加工事の請求ルールを整える

といった改善につなげることができます。

逆に原因を分析しなければ、同じ失敗を翌年も繰り返す可能性があります。

受注→施工→完工粗利までを一つの流れとして見ることが、10億円企業の守備力を高めるポイントです。

9. DXは「高額なシステム導入」から始めなくていい

ここまでの予実管理や施工管理を効率化するために活用できるのがDXです。

ただし、動画ではDXについて「いきなり完璧なシステムを作る必要はない」という考え方が示されています。

例えば、最初はExcelでも構いません。

まずは、

  • 案件名
  • 受注金額
  • 受注時の粗利
  • 完工金額
  • 完工時の粗利
  • 原価

など、本当に必要な項目だけを入力できるようにします。

そして社員が入力できる状態を作り、入力が定着した後で、必要に応じてDXツールへ移行していきます。

重要なのは、「何のシステムを導入するか」ではなく、「必要なデータが毎回入力されるか」です。

DX導入の段階イメージ図

DX導入の段階イメージ図

10. DXが失敗する最大の原因は「完璧を求めすぎること」

DXがうまく進まない会社では、「このデータも欲しい」「あの数字も欲しい」と管理項目を増やしてしまうことがあります。

しかし、入力する社員からすると、入力項目が多くなるほど負担が増えます。

結果として、入力されなくなり、せっかく導入したシステムが使われなくなる可能性があります。

そこで重要になるのが、最初から完璧を目指さないことです。

まずは、受注金額・完工金額・原価など、経営判断に必要な最低限の数字を確実に入力する。

そのデータをもとに分析する仕事は、経営者や経理など別の担当者が行えばよい、という考え方です。

「高い山にいきなり登ることはできない」という動画内の説明のように、DXも段階的に進めることが重要です。

11. 10億円企業の採用は「未来組織図」から始める

予実管理や施工管理によって利益が残るようになってきたら、次に必要になるのが人への投資です。

動画では、採用の最初のステップとして「未来組織像を描くこと」が紹介されています。

例えば、

  • 将来の事業責任者
  • 店長
  • リーダー
  • サブリーダー
  • 若手・未経験社員

など、会社が大きくなったときに必要になる役職・人材を先に考えます。

この「未来組織図」がない状態で採用をすると、「とりあえず人が足りないから採用する」という採用になりがちです。

一方、未来の組織を描いておけば、今採用すべき人材と、将来的に育成する人材を分けて考えることができます。

未来組織図のサンプル

未来組織図のサンプル

12. リーダー人材と未経験人材を組み合わせる「ハイブリッド採用」

動画では、10億円規模を目指す会社では、未経験者だけを採用するのではなく、経験のあるリーダークラスと未経験・若手人材を組み合わせる「ハイブリッド」の考え方が紹介されています。

例えば、リーダー・事業責任者クラスを採用し、その下に第二新卒や30歳前後の未経験人材を配置して育成していく方法です。

リーダークラスの採用には一定の費用がかかります。

動画では、リーダークラスの採用費として150万〜200万円程度、新卒採用では1人あたり50万〜100万円程度という金額が紹介されています。

もちろん採用費は会社や採用方法によって変わりますが、重要なのは「採用費をコストだけで考えない」ということです。

その人材が将来的に大きな売上・利益を生み出すのであれば、採用費は組織を成長させるための投資として考える必要があります。

13. 新卒採用では「母集団形成」が重要

新卒採用については、動画ではどれだけ母集団を形成できるかがポイントとして説明されています。

具体的には、

  • 合同企業説明会
  • インターンシップ
  • その他の採用イベント

などを活用して、まず学生との接点を増やしていきます。

ここでも重要なのは、採用活動を「人が足りなくなってから始める」のではなく、会社が成長するために必要な人材を逆算して、早い段階から投資することです。

そのためにも、先ほど説明した予実管理によって、採用にどれくらい投資できるのかを事前に把握しておくことが重要になります。

「売上10億円」を目指しているが、何から整えるべきか分からない方へ

予実管理・施工管理・DX・採用をどの順番で進めるべきか、現在の経営課題に合わせて整理します。

14. 年商10億円を目指す会社が毎月確認したい経営数字

ここまでの内容を踏まえると、10億円を目指す会社では、単純な売上だけでなく、営業・施工・利益・採用につながる数字を一連の流れとして確認することが重要です。

【予実管理】

  • 受注金額
  • 完工金額
  • 見込み案件数
  • 見積提出金額
  • 決定率
  • 3か月後・6か月後の受注残

【施工管理】

  • 受注粗利
  • 完工粗利
  • 原価
  • 追加発注
  • 手直し
  • 粗利が下がった原因

【採用・組織】

  • 現在の人員
  • 将来必要なポジション
  • 採用予定人数
  • 採用投資額

このように数字をつなげて確認することで、「売上が足りない」のか、「受注が足りない」のか、「施工で利益を落としている」のか、「人が足りない」のかを判断しやすくなります。

経営数字の一本の流れイメージ図

経営数字の一本の流れイメージ図

15. 年商10億円を目指すための実践チェックリスト

最後に、現在の会社の状態を確認してみましょう。

  • 年間売上目標を月ごとの数字まで分解している
  • 月ごとの完工可能額を把握している
  • 受注金額を毎月確認している
  • 見込み顧客・提出済み見積を把握している
  • 3か月後・6か月後の受注残を把握している
  • 受注粗利と完工粗利を比較している
  • 粗利が下がった原因を分類している
  • 社員が最低限必要な数字を入力する仕組みがある
  • Excelなど簡単な方法からDXを始めている
  • 将来必要になる「未来組織図」を描いている
  • リーダー人材と若手・未経験人材の採用計画がある
  • 採用を「コスト」ではなく「成長への投資」として計画している

チェックが少ない場合、いきなり大規模なシステム導入や大量採用を行うのではなく、まずは「今後どれくらい売上・利益・資金が見込めるのか」を数字にすることから始めることをおすすめします。

16. まとめ|10億円企業に必要なのは「売上」だけではなく「守備力」

専門工事会社が年商10億円を目指すとき、重要なのは売上を増やすことだけではありません。

今回の動画で紹介されたポイントをまとめると、次の4つです。

  1. ビジネスモデルを高収益化する
    売上だけでなく、利益を残せる事業構造を作る。
  2. 予実管理で未来のお金を見える化する
    受注・完工・見積・受注残などから、将来の売上と資金を予測する。
  3. 施工管理で粗利を守る
    受注粗利と完工粗利を比較し、利益が減った原因を改善する。
  4. 採用によって組織をスケールさせる
    未来組織図を描き、リーダー人材と若手・未経験人材へ計画的に投資する。

そして、その土台となるのがDXです。

ただし、DXの目的は高額なシステムを導入することではありません。

必要な数字を入力し、見える化し、その数字をもとに経営判断と改善を繰り返せる会社にすること。

これが10億円企業を目指すための「守備力」につながります。

年商10億円を目指す経営体制を、一緒に整理しませんか?

売上を伸ばすだけではなく、予実管理・施工管理・DX・採用まで含めて、貴社が次のステージへ進むための課題を整理します。

17. よくある質問(FAQ)

Q. 年商10億円を目指すなら、まず何から始めればいいですか?
A. まずは現在の受注金額・完工金額・見込み案件・提出済み見積・受注残などを整理し、将来どれくらいの売上が見込めるのかを把握することから始めるのがおすすめです。

Q. 予実管理は経理に任せればいいですか?
A. 動画では、予実管理は単なる経理業務ではなく、社長が将来への投資判断をするためのものと説明されています。経理だけに任せるのではなく、経営者自身が数字を確認することが重要です。

Q. 予実管理では何を見ればいいですか?
A. 受注金額・完工金額に加えて、見込み顧客数、提出済み見積金額、決定率、3か月後・6か月後の受注残、集客や広告への投資額などを確認する方法があります。

Q. 受注粗利と完工粗利が違うのはなぜですか?
A. 材料費・外注費などの原価増加、追加発注、追加工事の未請求、施工上の問題による手直しなど、さまざまな原因が考えられます。重要なのは、粗利が下がった原因を特定し、同じ問題を繰り返さないことです。

Q. DXのために高額なシステムを導入する必要がありますか?
A. 必ずしも必要ではありません。動画では、まずExcelなどで必要な項目を入力・管理し、入力を定着させることから始める考え方が紹介されています。

Q. DXが社員に定着しません。どうすればいいですか?
A. 最初から多くの情報を入力させず、本当に必要な項目に絞ることが重要です。まず社員が入力できる仕組みを作り、運用が定着してから段階的にDX化を進めます。

Q. 10億円企業を目指す採用では何が重要ですか?
A. まず将来どのような組織にしたいのか「未来組織像」を描くことが重要です。そのうえで、リーダー・事業責任者などの経験者と、若手・未経験人材を組み合わせた採用を検討します。

Q. 採用費が高くて投資できません。
A. 採用費を単純なコストとして見るのではなく、将来の売上・組織づくりにつながる投資として考える視点が重要です。ただし、採用可能な金額を判断するためにも、まず予実管理によって将来の資金を見える化することが重要です。

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