個人塗装店との価格競争に負ける?塗装会社が見直すべき「戦わない営業戦略」
【本コラムで分かること】
- なぜ組織型の塗装会社が個人塗装店との価格競争で負けやすいのか
- 個人塗装店と同じ土俵で戦わない「戦わない営業戦略」とは
- 価格以外の「選ばれる理由」を現地調査前から伝える方法
- 塗装会社の強み・品質・施工体制を営業で伝える具体的な方法
- お客様の認知バイアスを考慮した営業・情報発信の考え方
- 現調・見積もり・SNS・YouTubeで事前に自社の価値を伝える方法
- 価格競争から抜け出し、成約率を高めるための営業戦略
「うちより10万円安い会社に、また契約を取られた……」そんな経験はありませんか?
「相見積もりになると、個人でやっている塗装店に負けてしまう」
「自社より安い見積もりを出されると、どうしても契約を取られてしまう」
「会社として品質や施工体制に自信はあるのに、お客様には価格だけで比較されてしまう」
このような悩みを抱えている塗装会社は少なくありません。
実は、個人塗装店との価格競争に勝つためにさらに値下げする必要はありません。
むしろ、同じ「価格」という土俵で戦い続けることこそ、負け続ける原因になりかねません。
そもそも社長や少人数の職人で施工まで行う個人塗装店と、 複数の社員や施工管理体制を持つ組織型の塗装会社では、 提供している価値や強みが異なります。
それにもかかわらず、同じ「塗装工事の価格」という基準だけで比較されてしまうと、 組織型の塗装会社は価格競争に巻き込まれやすくなります。
そこで重要になるのが、 「個人塗装店に勝つ」のではなく、「個人塗装店とは違う基準で選ばれる」営業戦略です。
▼詳しく解説している動画はこちらから▼
個人塗装店との価格競争から抜け出すための営業戦略を解説しています
1. なぜ塗装会社は個人塗装店との価格競争で負けるのか?
個人塗装店との相見積もりで負けてしまうと、 「うちの営業力が足りない」 「もっと安くしなければいけない」 と考えてしまいがちです。
しかし、必ずしも営業担当者の能力だけが原因とは限りません。
大きな原因の一つは、 お客様が会社を比較するときの判断基準を、自社側で設計できていないことです。
例えば、ポータルサイトなどで複数の塗装会社を比較する場合、 お客様からすると「価格」は非常に分かりやすい比較基準です。
- どちらの会社が安いか
- どちらの会社が何万円安いか
- どちらの会社がお得そうか
価格は数字で比較できるため、他の情報よりも判断材料として使いやすくなります。
その結果、品質や施工管理体制、保証、現場チェックなど、 本来比較してほしいポイントが十分に伝わらないまま、 「安い会社」が選ばれてしまうことがあります。
価格だけで比較される状態を作らないことが重要
つまり、価格競争から抜け出すためには、 「価格で負けない方法」を考えるだけでは不十分です。
お客様が価格以外にも 「この会社に頼む理由がある」 と判断できる情報を、早い段階から伝える必要があります。
2. 個人塗装店と同じ土俵で戦わない「戦わない営業戦略」
個人塗装店との価格競争に悩む塗装会社にとって、 重要なのが「戦わない」という考え方です。
これは、競合を無視するという意味ではありません。
競合と同じ評価基準で比較されない状態をつくる ということです。
例えば、個人店には、 「社長自身が施工する」 「少人数だから小回りが利く」 「価格を抑えやすい」 といった強みがあります。
一方、組織型の塗装会社には、
- 施工管理を含めた組織的な品質管理
- 複数人によるチェック体制
- 施工マニュアルや標準化
- 担当者が変わっても対応できる体制
- 営業・施工管理・職人間で情報を共有できる体制
- 会社として継続的にサービスを提供できる安心感
など、別の強みがあります。
大切なのは、 「どちらが優れているか」ではなく、「何を基準に選んでもらうか」 を明確にすることです。
3. 個人塗装店に負けないために「自社の選ばれる理由」を先に伝える
「うちは品質に自信があります」 「施工管理をしっかりしています」 と営業担当者が口頭で説明するだけでは、 お客様の判断基準を変えるのは簡単ではありません。
重要なのは、 見積もりを提出する前から、自社がどのような会社なのかを伝えておくことです。
例えば、現地調査の段階で次のような情報を伝えます。
- 自社が大切にしている施工ポリシー
- なぜこの施工方法を採用しているのか
- 施工品質をどのように管理しているのか
- 誰が現場をチェックするのか
- 施工後にどのような確認を行うのか
- 他社と比較するときに確認してほしいポイント
これらを先に伝えておけば、 お客様は単純に「一番安い会社」を探すのではなく、 「自分の家を安心して任せられる会社はどこか」 という視点でも比較できるようになります。
4. 「説明したのに負ける」なら、営業内容を動画にする
自社の強みや施工ポリシーを説明しているにもかかわらず、 相見積もりで負けてしまう場合があります。
その場合に考えたいのが、 「説明する」だけではなく「見せる」ことです。
例えば、
- 自社の施工ポリシー
- 品質管理の考え方
- 現場で行っているチェック
- 塗装工事で注意すべきポイント
- 業者選びで確認してほしいポイント
などを短い動画にしておきます。
すると営業担当者が毎回ゼロから説明する必要がなくなり、 お客様自身に見てもらうことができます。
YouTubeなどに公開しておけば、 「実際にどのような会社なのか」を問い合わせ前から知ってもらうことも可能です。
動画は「営業担当者の説明を標準化するツール」にもなる
営業担当者によって説明内容が違う会社では、 お客様に伝わる情報にもばらつきが生まれます。
そこで動画を活用すると、 誰が担当しても同じ内容を伝えられる というメリットがあります。
特に、会社として大切にしている考え方や、 業者選びのポイントなどは動画化しておくと、 営業活動の標準化にもつながります。
5. お客様の「認知バイアス」を考慮して営業する
価格競争を考えるうえで、もう一つ重要なのが お客様の認知バイアスです。
動画内では、認知バイアスについて、 「自分が持っている信念や仮説を裏付ける情報を集め、 反対の情報を無視・排除しやすくなる」という趣旨で説明されています。
例えば、最初に 「この会社は安い」 という印象を強く持った場合、 その後に入ってくる情報も「安いから良い」という基準で評価されやすくなります。
そのため、 見積もりを出してから自社の価値を説明するのでは遅い場合があります。
現地調査の前後、SNS、ホームページ、YouTubeなどを通じて、 事前に自社の考え方や選ばれる理由を伝えておくことが重要です。
なお、ここで重要なのは、 個人塗装店を否定することではありません。
個人店にも個人店ならではの強みがあります。 だからこそ、組織型の塗装会社は、 自社ならではの価値を別の軸で伝える 必要があります。
6. ポータルサイトの相見積もりで負ける会社が見直すべきポイント
ポータルサイト経由の問い合わせでは、 複数の会社が同じお客様に提案することになります。
そのため、単純に価格だけで比較される状態になると、 値下げしやすい会社との競争になってしまいます。
ポータルサイトを活用する場合でも、 「価格比較の場に出る前から自社の価値を伝えておく」 ことが重要です。
見直したい5つのポイント
- ホームページ: 価格だけでなく、施工品質・施工体制・会社の考え方を明確にする
- SNS: 普段の施工やスタッフ、現場管理の様子を発信する
- YouTube: 塗装工事や業者選びについての情報を動画で伝える
- 現地調査: 自社の施工基準や品質管理について説明する
- 見積もり: 金額だけでなく、なぜその工事内容・価格になるのかを説明する
7. 塗装会社が「価格以外」で選ばれるために伝えるべき4つの価値
では、具体的に何を伝えればよいのでしょうか。
塗装会社が価格以外の基準で選ばれるためには、 少なくとも次の4つを整理しておくことをおすすめします。
① 施工品質
「丁寧に施工します」だけでは、他社との差別化になりにくいものです。
どの工程をどのように確認しているのか、 どのような施工基準を設けているのかなど、 具体的な品質管理の方法まで伝えます。
② チェック体制
塗装工事では、施工した本人だけでなく、 別の担当者が確認する体制など、 会社として品質を管理する方法を伝えることも重要です。
③ 会社としての安心感
「誰が担当しても一定の品質で対応できる」 「担当者が休んでも会社として対応できる」 など、組織だからこそ提供できる安心感があります。
④ 自社の施工ポリシー
なぜその工事方法を採用しているのか、 なぜその材料を使うのか、 何を大切にして施工しているのか。
こうした会社としての考え方を伝えることで、 価格だけでは比較できない会社としての価値を理解してもらいやすくなります。
8. 個人塗装店との価格競争から抜け出す営業戦略5ステップ
ここまでの内容を、実際の営業活動に落とし込んでみましょう。
- 自社の強みを整理する
品質、施工管理、スタッフ、保証、対応体制など、 個人店とは異なる自社の強みを書き出します。 - 「選ばれる理由」を言語化する
「品質が高い」ではなく、 「なぜ品質を維持できるのか」まで具体化します。 - 問い合わせ前から発信する
ホームページ、SNS、YouTubeなどで、 自社の考え方や施工基準を発信します。 - 現地調査で比較基準を伝える
価格だけでなく、施工内容や品質管理体制など、 お客様に確認してほしいポイントを伝えます。 - 見積もりで「価格+価値」を提示する
金額だけを提示するのではなく、 その価格でどのような施工・管理を行うのかを説明します。
9. 値下げしても個人塗装店に勝てない理由
個人塗装店との価格競争に負けると、 「あと10万円下げれば契約できるかもしれない」 「もう少し値引きすればいい」 と考えてしまうことがあります。
しかし、価格だけを判断基準にしているお客様の場合、 一度値下げしただけで価格競争が終わるとは限りません。
さらに安い価格を提示する会社が現れれば、 また比較される可能性があります。
つまり、 価格を下げるだけでは、価格競争そのものから抜け出すことができません。
必要なのは、 「安いから選ぶ」ではなく、 「この会社に任せたいから選ぶ」 という判断につなげることです。
10. 「個人店に勝つ」のではなく、自社に合う顧客を増やす
ここまで読んで、 「個人塗装店を競合として意識しなくていいのか?」 と感じる方もいるかもしれません。
もちろん競合分析は必要です。
ただし、すべての顧客を同じ基準で取り合う必要はありません。
「とにかく一番安い会社に頼みたい」という顧客に対して、 組織型の塗装会社が価格だけで勝負するのは、 必ずしも合理的ではありません。
一方で、
- 施工品質を重視する
- 会社としての施工管理を重視する
- 説明や対応の丁寧さを重視する
- 長期的な安心感を求める
- 価格だけではなく施工内容を比較したい
といった顧客に対しては、 自社の強みが伝わるほど選ばれる可能性が高まります。
だからこそ営業戦略では、 「どうすればすべての競合に勝てるか」ではなく、「どのようなお客様に選ばれる会社になるか」 を考えることが重要です。
11. 価格競争に負けている塗装会社が今日からできる3つの対策
対策1:自社の「選ばれる理由」を3つ書き出す
まずは、 「なぜお客様は価格だけでなく、うちの会社を選ぶべきなのか?」 を3つ書き出してみてください。
対策2:営業担当者の説明を動画・資料にする
毎回営業担当者が説明している内容を、 動画や資料として見せられる状態にします。
これにより、営業担当者ごとの説明内容のばらつきを抑え、 問い合わせ後の顧客教育にも活用できます。
対策3:現地調査で「業者選びの基準」を伝える
「こちらの金額です」と見積もりを出すだけではなく、 「塗装会社を選ぶときはここを確認してください」 と伝えます。
自社の施工基準や品質管理の考え方を、 お客様が比較するときの判断材料にしてもらうのです。
12. ゲームチェンジが支援できること
ゲームチェンジ株式会社では、 住宅塗装会社・リフォーム会社・建設会社を対象に、 売上や成約率の改善につながる営業戦略・組織づくりをご支援しています。
特に、個人塗装店との価格競争や相見積もりでの失注に悩んでいる場合は、 単純に「もっと営業しましょう」「もっと値引きしましょう」と考えるのではなく、 なぜお客様から価格だけで比較されているのか を整理することから始めます。
- 営業戦略: 地域・競合・顧客層に合わせた営業戦略の整理
- 成約率改善: 現地調査から見積もり提出までの営業プロセス改善
- 強みの言語化: 自社の施工品質・組織体制・サービスの強みを整理
- Web・SNS・動画活用: 問い合わせ前から自社の価値を伝える情報発信の設計
- 組織づくり: 営業担当者によって成果が変わりすぎない仕組みづくり
大切なのは、 「個人塗装店にどう勝つか」だけを考えることではありません。
自社が提供できる価値を整理し、 その価値を必要としているお客様に伝え、 「価格だけではなく、この会社だから任せたい」と思ってもらえる営業の仕組みを作ることです。
13. よくある質問(FAQ)
Q. 個人塗装店との価格競争では、値下げするしかないのでしょうか?
A. 必ずしも値下げする必要はありません。価格だけで比較される状態を避け、自社の施工品質・施工管理・チェック体制・会社としての安心感など、価格以外の選ばれる理由を伝えることが重要です。
Q. 個人塗装店より高い見積もりでも契約できますか?
A. 可能性はあります。ただし、価格差に見合う価値が伝わっていることが前提です。なぜその価格になるのか、どのような施工・管理を行うのかを具体的に説明する必要があります。
Q. ポータルサイト経由の相見積もりでも価格競争を避けられますか?
A. ポータルサイトでは価格比較が起こりやすいため、価格以外の判断基準を持ってもらう工夫が重要です。ホームページ、SNS、YouTube、現地調査などを通じて、問い合わせ前から自社の強みや施工方針を伝えておくことが有効です。
Q. 自社の強みが思いつきません。何を伝えればよいですか?
A. 施工品質だけでなく、施工管理、現場チェック、担当者間の情報共有、保証、アフターフォロー、会社としての対応体制など、「お客様が安心して任せられる理由」を整理してみてください。
Q. 営業担当者によって成約率が大きく違うのですが、どうすればよいですか?
A. 営業担当者個人の経験や能力だけに頼らず、説明資料・動画・営業トーク・現地調査時の説明項目などを標準化する方法があります。特に会社として伝えるべき内容は、誰が担当しても一定水準で説明できる状態を作ることが重要です。
Q. YouTubeやSNSで発信する内容は何がよいですか?
A. 自社の施工事例だけでなく、塗装工事の注意点、業者選びのポイント、自社の施工基準、品質管理の方法など、お客様が塗装会社を比較するときに役立つ情報を発信するのがおすすめです。
Q. 価格競争から抜け出すために、まず何をすればよいですか?
A. まず「なぜお客様が自社を選ぶべきなのか」を3つ程度に整理してください。そのうえで、その理由をホームページ・SNS・YouTube・現地調査・見積もりの各段階で一貫して伝えられる状態を作ることから始めるとよいでしょう。